熱に羽化されて

はとです。好きすぎてこじらせたうわ言です

怒りの預言者の話(『ギンズバーグが教えてくれたこと』感想)

今年初の読了。
発売時から欲しかったヤリタミサコギンズバーグが教えてくれたことー詩で政治を考える』を2月の終わりに購入。普段割と本は積みがちなのだけれど、これはするっと読めた。
というのも、横書きの書式だったからかもしれない。最近全然本を読んでいないのだけど、twitterやブログなどネットの記事は読み漁っているので、横書きの方が読みやすい気がする。

  

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暫く前に読み終わったヤリタミサコ『ギンズバーグが教えてくれたこと 詩で政治を考える』。装丁がとても美しいのだけれど、そこから繰り広げられる内容はパンチが効いていた。怒り、時々鎮魂。#読書#ginsberg

 

ボール紙のような厚紙に箔押しがされて、赤い部分は布張りなの、とても美しくて軽くてうっとりする。
中の紙はペーパーバックみたいなざらついた薄い紙なので、保存に気をつけないといけないと思う。


詩人であり、ギンズバーグの研究者である著者が、ギンズバーグの詩から現在の社会問題と照らし合わせたエッセイのような感じ。紹介されている作品は全部で5篇。1970〜90年代に書かれたものであり、すべて初めて読むものだった。
今まで読んでいたギンズバーグの詩は初期の頃の作品が殆どだったので、中〜後年の作品はもっとマクロに政治的なものになっていくのだなという印象を受けた。初期の『吠える』の頃は、自分の中にぐるぐるしていた感情を爆発させたようなイメージだった。それが年を重ねることで、周り、つまり彼の世界がもっともっと広がっていくことで、詩の内容もまた広がりを見せていく。具体的な批判の対象の名を挙げたり、真っ向から批判している。彼のいた時代のおかしなことを、厳しく追及し、怒っている。そして哀れんだり、優しい顔も見せる。
「怒り」こそギンズバーグの原動力なのでは、と思うことがよくある。
ギンズバーグのエピソードには「物凄く優しい」と思うこともあるけれど、詩の苛烈さは常に変わらない。「怒り」の感情が脈々と詩に流れているのを感じる。そんな40年以上前に書かれた詩は、現在の政治と照らし合わせた時に、あまり変わっていない現状にガッカリもする。だからこそ言葉は残り、本を読むことは何かの助けになるのかもしれない。

彼の詩が当時のことを書いているのに預言的である、という話に、最近観たNTLの『エンジェルス・イン・アメリカ』を思い出した。

そしてこの本の中に紹介されていた日本の詩人及川俊哉の作品を知れたのは良かったなあ。「現代祝詞」どこかで聴いたことがある気がする。東日本大震災があった時に詩人として一気に台頭したのは和合亮一というイメージだったんだけど、他にも活動している人がいた。当たり前か。