熱に羽化されて

好きすぎてこじらせたうわ言や思考の整理など

浪費より投資!買って良かった2020第一位

お題「#買って良かった2020

 

去年は考えて見ると、割と色々買い物した気がします。無駄なものを買っちゃったよー、というよりは、今自分に必要なものを、えい!と買うことが多かったです。
これは浪費ではなく投資である、と自分に言いながら様々なものを買いました。
そんな中で買って良かったもの、2020年ぶっちぎりの第一位はこちら。

 

 
そう、マットレスです。

これを読んでいる貴方にお尋ねしたいのですが、その寝具は何年くらい使っていますか?
私はですね、2020年の頭には、もう10年以上が過ぎていました。IKEAのウレタンで出来たマットレスです。よく言えば物持ちがいい。悪く言えば寝具に無頓着。
しかし流石に10年以上使うと、どうしてもガタが来ます。形状記憶のようになってしまい、私の体の形に合わせて、くっきり凹むようになってしまいました。
そうすると何が起こるのかというと、

寝返りが打てない。

元々大人になってから、寝相はいい方です。自室以外でもベッドから落ちたことはないし、枕が足元や場外へ吹っ飛ぶこともない。シングルベッドに二人で寝ろと言われても、相手も寝相が良ければ狭いけどまあいいや、と思えるくらいには寝相がいいんです、私。
我ながら信じられないんですが、このマットレスだと、3時間くらいなら寝返りを打たないままのようなのです(一般的な寝返りの数と頻度をそんなに知らないんですが…)。
そして下になっている方の半身が痺れて夜中に起きるといったことを何度か繰り返しました。私は象か?
快適な睡眠どころか、生活に支障が出ている。下手すれば病気とかになりかねないのでは?
そんな訳で、急遽マットレスを買うことにしたのです。

 

マットレスってどうやって選んでるのだろう、と思いながら調べてみました。
睡眠は一日の1/3を占めると言います。せっかくならばいいものが欲しい!
有名どころはエアウィーヴだと思います。しかし、これはどちらかと言うとCMにも出ている浅田真央さんのような、スポーツ選手などの日常的にがっつり運動している人向けなのかな?という気がしていました。
休日の歩数が1000歩で終わることもある私には、あまり向いてなさそう。
一方で、もう一つ有名な西川のムアツ布団があります。これは元々病院の床ずれ防止から開発されたと言う話を聞いて、この筋肉皆無、しかも病気で寝込みがちな私にはピッタリでは!?と思いました。友人に使っている人が何人かいておすすめされたこともあり、これが第一候補になりました。
それじゃあ一丁奮発してムアツ!と思ったのですが、思わぬ制約がありました。
幅90cm、長さ200cm以下のものしかベッドに合わないのです。
ベッドごと買い替えるのは、諸事情により出来ず…
そしてムアツ布団で欲しいものは、幅97cmが最短でした。
ムアツの夢、破れたり…

 

そんな中、職場の人にマットレスのことを聞いてみたところ、勧められたのが上記のものでした。
こちらは幅91cm。これならギリギリいけそう。もしいけなかったら端を切るDIYを最悪すればいいか、と無茶なことを考えていました。結局、みっちりハマる形で収まってくれています。
長さは逆に195cmなので、ベッドからは5cm足りないのですが、こちらも困ったことは特にありません。
そして値段が現在のムアツの半分以下!西川の型落ち商品なのかな?元々はムアツベーシックという名前だったそうです。初期型なのかな?
恐らく当時1万円もしなかったであろうIKEAマットレスで10年はいけたんだ、恐らくこのマットレスも数年は保ってくれるだろう、ということで愛でたく決定。
このマットレスの売りは、表面がボコボコしており、それによって体圧を分散させると言うもの。このボコボコを購入する前にちゃんと確かめられなかったのですが、私は初日から割と面白がって寝ることが出来ました。こりかえしみたいなのもなく、すぐに慣れてしまいました。これ、もしかして今までが酷かったのか…?(IKEA好きなんですけどね)
柄がちょっと強烈なのですが、カバーをかければ問題なし!

今、このマットレスを使い続けて半年以上経ちましたが、特に何も問題はありません。
体感ですが、寝つきがちょっと良くなった気がします。
寝返りも多分打ててる。起きた時に体が痺れないって最高!
高価格帯ではないけれど、そこそこにいい買い物をしたんじゃないかなと思います。
せっかくなので、枕も変えてみたいものです。計測したりするのは知っているけれど、面倒なのでやっていない。
そう言えばマットレス、もう何年選手だろう…と言う人は、新しいものを検討してみてもいいかもしれません。
私はたまたまこいつがあったけど、人によりけりなので、参考にしてくれたらの気持ちです。
ちなみに私は身長161cmで体重は50kg前半台をうろうろしており、筋肉は皆無なタイプです。
体格などによっても全く変わってくるから、自分に合うものを探してください。
本当は多分もっと試してみてからの方がいい気はします。

ちなみに最近は、睡眠を測るのにこれを導入しています。
細かく色々見れていいです。睡眠以外にも色々測れます。
(こちらはなんと頂き物なので買って良かったものくくりには厳密には入らないかなと思いますが、2021年現在めちゃくちゃ活用しまくっています。)
こちらもめちゃくちゃおすすめ。文字盤を小黒に出来るし… 

(公式のAmazonだと売り切れてたのでグローバル版を紹介しています。悪しからず)

 

 

 

私の灯台

2020年1月中旬、私は冷や汗をかきながらロンドンに電話していた。もちろん英語で。

「予約したチケットの日付を変更したいんですけど……」

出発する、約3週間前の話である。



2020年ぽっぽアドベント「変わった/変わらなかったこと」主催かつ25日担当のはとです。
今年は総勢75名でお送りしているぽっぽアドベント最終日です。
カレンダーはこちら。

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今年は、いつの間にか自分にとって特別になっていた場所、The Old Vic(ザ・オールド・ヴィック)という劇場と、それにまつわるあれこれの話をします。
とりとめがなくなってしまったので、気が向いた部分からでも読んでください。

1月、危機一髪

来月に行く観劇の予定が、完全に狂っていた。3年ぶりのロンドン、ウエストエンドで観劇三昧の旅を予定していたが、日程が見事に一日ずつズレている。
時差の勘違い、非常に初歩的なミスである。もう何回海外に行ってるんだ!とどうしようもない体たらくに自分を叱りたくなる。今回は乗り継ぎが長く、丸1日ほどかけて行く行程にしたのが主な敗因だろう。
急遽行われることを知ったイベントに行こうとして、改めて旅程と舞台の予定を見比べていた最中に発覚したミスだった。発覚してよかった。当初の予定で組んでいたチケットでは、一発目の舞台が始まる時間、私はまだヨーロッパ上空を飛んでいることになる。
舞台は一つを除いて、全てATGというチケットサイト*1で購入していた。ATGでは、購入したチケットの日付を変更したい場合は電話をせよとのことだった。こちらは旅の供である妹が電話をしてくれて、チケットの値段の変動は大いにあったものの、事なきを得た。
そして唯一の例外が、The Old Vic Theatreだった。こちらはチケットサイトを通さず、劇場の公式サイトからのみ販売していた。なので連絡も直接劇場にすることになる。
そこで冒頭の話に繋がるのだった。
電話に出たのは恐らく男性で、穏やかで低い声の人だった。
片言の英語で日程の変更を伝えると、席はもうほとんど埋まってるけどどの辺りがいいんだと聞かれた。
「とにかく前!今Old Vicのサイトを見てるんだけど空きがあるこの席!」と言うのが伝わったんだか伝わってないんだか、の雰囲気でチケットを押さえてくれた。
だが、肝心の席番号を口頭で教えてくれない。
教えてくれ!復唱してくれ!とお願いしても「その内変更メールが来るからね、大丈夫だよ」と締めの挨拶*2を一方的に言われて切られた。一抹どころの不安ではなかった。
何故なら、三年ぶりのダニエル・ラドクリフ出演作の舞台のチケットなのだ。推しを観るにあたって、席の位置は非常に重要である。それなら最初から間違えるなよという指摘はちょっと横に置いておく。
一時間ほど経ってようやく来たメールには、ちゃんと私の希望通りの席番号が記されていた。ようやく胸を撫で下ろす。
あの時の電話の相手が、今も元気で、出来ればそのまま働いていることを祈る。

2月、再会

3年ぶりのロンドンは、懐かしさと高揚感で溢れていた。まだ感染症の脅威は見えず、マスクをしている人間はいなかった*3
今回は5つの公演+αを観る旅だったのだけれど、The Old Vicでの観劇は日程状の都合により1度だけだった。なので、このたった1回が、とてつもなく楽しみだった。

The Old Vicは、ロンドンの南にある複合ターミナル駅であるウォータールー駅から徒歩5分ほどにある、3階建ての劇場だ。1000人ほどのキャパシティがあり、地下にはカフェが併設されている。
およそ殆どの人には馴染みがないだろうが、ナショナル・シアター・ライブの作品で『プレゼント・ラフター』『みんな我が子』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』などが上演されている。これらを映画館で鑑賞したことのある人は、始まる前のインタビューなどで、劇場の外観を目にしたことがあるかもしれない。
ウォータールー駅を出て、南東の方に平坦な道をまっすぐ進んでいくと、だだっ広い交差点にぶつかり、その角にぽつねんとそびえている。
あの景色が開ける瞬間、強烈なライトに照らされているのを見るのが好きだ。ようやくここへ来た!と言う気持ちになる。

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この時の私の顔、マジで顔文字と同じだった。

夜にしか来たことがなかったので、今回の記事を書くにあたり、Googleストリートビューを見たのだけれど、違う道のようだった。
いつも煌々と上演中の作品名が赤いネオンで提示され、ポツンと一つだけ異様に明るい姿は、灯台みたいだなといつも思っていた。近くにあるのは海ではなく川だが……そして川も目視出来る距離にあるわけではないが。

その日の私は、昼に普段頼まないようなグリーンスムージー*4がぶっかかって白いスカートにしみをつけており、一日中歩き回って疲労困憊という、最高とは呼べない状態ではあったが、あの紫色のライトを見たら疲れもぶっ飛んだ。アドレナリンが出るとはこういうことを言うのだ。
興奮というよりは緊張が募りながら、劇場に入って席に着く。今回、殆ど残っていなかった席をなんとか確保したせいで、同行者とは連番ではなかった。なのでいくら緊張していても、始まるまでに気を紛らわすおしゃべりはできない。なんなら隣の人が始まる1分前も携帯をいじっていたので、「申し訳ありませんが私はこの舞台を観るのがとても楽しみでそして今大変ナーバスになっているので、どうか携帯電話の電源を切って鞄に収めてはくれないでしょうか…」というようなことを絞り出して伝えてしまったくらいだ。
隣に座っていたご婦人は、「そんな緊張することないわよ!大丈夫!」と私の肩を叩いて笑っていた。携帯はもう暗くなる瞬間に電源を切って鞄に放り込んでいた。とりあえずは良かった……
なにせ、席は最前列である。

最前列である。

自分と演者の間に、他に何もない。どうしても劇場だと大なり小なり頭かぶりをしてしまうものだけれど、その心配は一切なかった。
3年前、どうしても欲しかった最前列のチケットは、Old Vicの有料会員にならないと取れなかった。悩んで一般会員のままで取れる最前列を取った。そのチケットは、前から三列目の列の中央寄りで、それだって十分に近い距離だった。
ちなみに、同行者はその一列後ろの中央どセンターだった。これはこれで大変見やすい席だったと思うので、本当にあの時のお兄さんには感謝しても仕切れない。

あの時電話してくれたお兄さん、本当ありがとう〜〜〜!!!!

改めて祈りを捧げる。

その状態で観た『ROUGH FOR THEATRE Ⅱ』と『Endgame』はどちらも最高だった*5
この2作はどちらもサミュエル・ベケットの戯曲である。不条理劇が著作として残されている彼の戯曲は、とにかく難しい。テーマも言葉も難解で、予習をしていったが、完璧に理解しているとは言い難い。それでも素晴らしい作品だったと思う。
作品については、さらりと触れておく。

『ROUGH FOR THEATRE Ⅱ』(邦題:演劇のためのスケッチ2)

ほぼ二人芝居をあんな大きな舞台でどうするんだ、と思っていたが、杞憂に終わった。
まさかのこちらの予習が抜け落ちていたため*6、ちょっと呆然としながら観ていた。やってることや言ってる意味は分かったとしても、どうして二人がそんな状況にいるのかが全然わからないのだ。
ランプのついた机が二脚、舞台の中央寄りに配置され、その真ん中の奥に大きな窓があり、男が背中を向けている。
そこにスーツ姿のダニエル・ラドクリフアラン・カミングが入ってきて、窓際に立っている男の処遇やアリバイを話していく、という筋書き。
二人のやりとりが面白いのだが、入れ替わり立ち替わりで休んでいる暇がない。
正直アラン・カミングの鼻筋が世界一美しいことばかりが頭に残っている……

『Endgame』(邦題:エンドゲーム、勝負の終わり)

こちらは家の外は世界が終わってしまったような家で、車椅子というよりもキャスター付きの椅子に座る盲目の主人と、彼に仕える使用人の青年、そしてドラム缶に入っている主人の父親とその伴侶が、外の世界に出ることもなく、ひたすらどん詰まりの中で話している作品である。
本当に世界の終わりのような、おしまいの世界でうっかり生き残っている人たちのような話だった。こちらは予習していたため、大体のことが分かってちょっと安心した。
車椅子に座るアラン・カミングの足が、本当に病人のように細くて、ちょっと前まで走り回っていたスーツ姿の人と一致しなくて混乱した。俳優って凄い…
ダニエル・ラドクリフが背の高い梯子を持って移動したり、振り回したり、登っては滑るように降りたりして、とにかく怪我をしないかハラハラしながら見ていた。ダニエルの役も、足が悪いという設定なので、引きずったまま歩いたり、かがんだりする様が凄かった。肉体を操るプロフェッショナルだよ、俳優……

終演後のステージドアでは、ダニエル・ラドクリフと再び*7会うことが出来た。
一方アラン・カミング*8は出てこなかった。恐らく一貫して出てこない人のようで、公演中にファンとのツーショットはネット上には見かけなかった。
主義が全く違いそうな二人が共演しているのがいいなと思った。


ちなみにこれがThe Old Vicのステージドアの写真。

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この下に立っていると、出てくる人全員に「ダニエル・ラドクリフは此処には出てこないよ!*9」と言われる。ダンじゃない人を待ってたっていいじゃないか、といつも思う。けど同時に親切だなあとも思う。

ちなみに3年前、初めての一人旅をして、初めてThe Old Vicに訪れた時のレポは、こちらに寄稿した。私の観劇レポ以外にも、非常に面白い方々(ぽっぽアドベントの参加者もいる)の寄稿が読める上に、海外で観劇するにはどうしたらいいの?と言う疑問に全て答えてくれるようなガイドブックにもなっている。年末年始にどこかへ行きたい欲が募ってしまうことだけが短所かもしれないが、名著なのでまだ手に入れてない人は是非読んでほしい。

haru-ari-ca.booth.pm


他にも3つの作品を4回*10と、ポエトリーリーディングのチャリティーイベント*11に行き、終始マチネとソワレと二本立てを組んだような日程の旅は、無事に終了した。


しかし、帰国してから感染症に対する情勢は悪くなる一方だった。2月末には大規模のイベントを控えるように日本政府からのお達しがあり、バタバタと舞台やライブが中止、もしくは延期になっていった。
2月末に予定していたライブが延期になった。行こうかどうか迷っていた舞台は、行くかを決める前に中止になってしまった。
1ヶ月前のことが嘘のようだった。もう少し遅かったら、渡英自体を中止しなければならなかっただろう。幸運としか言いようがなかった。

3月、青天の霹靂

3月になると、一つの公演*12を除いて取っていたチケットたちがどんどん返金対象になっていった。
日々の状況が分からない毎日の中、朝Twitterでそのニュースが飛び込んできた。
3月16日の朝だった。

「The Old Vicが2週間の公演中止」

まだ『End Game』の公演中だった。2週間の休演、しかし最終日まで後2週間もない。つまり、これは公演中止の報せだった。
あの時の感覚は、今でも忘れられない。日本でもいくつもの公演が中止になり、数日前にはブロードウェイだって閉鎖が決定した。
報せを聞く前日には、本来だったらマチネに舞台を、そしてソワレにはライブに行く予定*13だったのに。どちらの中止も、仕方ないと思っていた。
それなのに、足元からすうっと、血の気の引くような思いをしたのは、この報せを聞いた時だけだ。
一ヶ月以上前のロンドンの様子を思い出す。あの時、感染症なんて無縁に近いような風景が、失われてしまった。
しかし、こんなにショックを受けているのは、ダニエル・ラドクリフの主演作だからなのだろうか?
他の人が主演の作品だったら、そこまで思ったのだろうか?
正直なところ、うまく想像出来ない。The Old Vicとの記憶は、ダンとの記憶と紐づいている部分が大きい。

1月27日から始まって、3月28日まで上演の予定があったものが、途中で断ち切られてしまった。あの時、初めて「最後まで公演が出来ない」という恐ろしさを、本当に味わった気がする。

次の日、ロンドンの全ての劇場の閉鎖が決まった。
The Old Vicはその先駆けだった。

4・5月、低迷

4月に緊急事態宣言が発令されてから、劇場はもちろん映画館も一時閉鎖が相次いだ。
また、自身にも色々あって*14、完全に低迷していた。
時間があるからゆっくりNetflixを観まくってついでに英語の勉強でもしな、と元同僚に言われていたものの、全くもって捗らなかった。
物語を受け取る元気も、気力も失われていた。
最低限、観ていたのは「おうちNT」こと、ナショナル・シアター・ライブの配信だった。これは本国のもので、16作の公演を1週間ずつ、無料でYouTube配信してくれるものだった。それも、頑張っていくつか…くらいしか観られなかった*15
他は殆ど無理だった。あまりにも何もかもと、距離が遠かった。

The Old Vicでは、『Endgame』の次に上演する予定だった『4000 miles』も中止が決定した。ティモシー・シャラメの主演舞台である。これに行く予定だった人たちが涙を飲んでいた。ぽっぽアドベントに書いてくれた人にも、公演中止に涙を飲んでいた人たちがいた。ロッタさんやなっちさんの記事で嘆きが読める。

timmy-t.hatenablog.com

natsuki178.hatenablog.com

6月、再浮上

The Old Vicで、有料のストリーミング配信の上演が決定した。3ヶ月ぶりの公演である。
Old Vic : In Cameraと銘打たれた形式の無観客公演は、チケットを購入すれば世界中のどこからでも観劇が可能だった。日本でも観れるのは、素直に嬉しかった。
『Lungs』という、クレア・フォイとマット・スミスの二人芝居は、私にとって魅力的だった*16
しかし、正直理解できるかは怪しかった。字幕は出るようだったが…
チケットは、保留にしていた。配信だし、すぐさま全公演売り切れるようなものではないと思っていた。そうしたら売り切れていた。


そのニュースから数日後、1週間だけ無料で配信された、The Old Vicが過去に上演していた『A Monster Calls』を観た。
これについては、19日のとばをさんの記事が詳しいのでこちらを参照してもらいたい。
privatter.net


実のところ、私は同じ原作の映画『怪物はささやく*17』を観ていたのだが、それがどうにもこうにも好きではなかった。
しかし、観てみようと思ったのは、公演当時、演出面での評判が非常に良かったからだった。気軽にロンドンに行けるのであれば、多分観に行っていたと思う。

予想に反して、舞台版『A Monster Calls』は私を直撃した。

演出が素晴らしかったが、ストーリーが映画で観た時よりもずっと、今の自分に寄り添ってくれているようだった。
映画版では、主人公の母と祖母の方にもフォーカスが当たりすぎて、ブレている感じがしたのだが、舞台では徹頭徹尾主人公にフォーカスされていたのが良かったのかもしれない。
観ている間、びしゃびしゃに泣いた。ちょっとびっくりするほど泣いていた。
この日を境に、映画や舞台に対して自分が無気力だったのが、嘘みたいに消えた。映画館はそろそろと市松模様を描きながらも再開し始めた頃だった。

そして、追加発売していた『Lungs』のチケットを買った。久々に買う舞台のチケットだった。
公演ギリギリに買ったせいで、高いチケットしか残っていなかった。
それでも、チケット代とは別に、ほんの少しだけ劇場への寄付をした。

7月、胎動

結論から書くと、『Lungs』を最後まで観れずに終わった。
『Lungs』はzoomによる配信だった。そして、なぜか画面が二分割されていた。これが恐ろしく観づらかった……
なんとか英語字幕は表示させたのだが、慣れない2画面に全く集中出来ず、割と序盤で観続けることを諦めた。
それでも、とりあえずチケットを買った、繋がった、というだけで、割と満足していた。

そして、Old Vic : In Cinemaの新作が決まった。アンドリュー・スコットの一人芝居『Three Kings』である。これは、発表されてすぐにチケットを買った。アンドリュー・スコットの一人芝居と言えば、名作『Sea Wall』を配信で観たので、これも絶対に観たかった。ただし、完全新作のために予習が出来なかったので、どこまで理解できるかは相変わらず怪しかったが……
そして購入時には、また少額ながらも寄付をした。
アンドリュー・スコットに関しては、10日のジジさんの記事が詳しいので、そちらを参照してもらいたい。
tak1-tam1.hatenablog.com

8月、予想外

アンドリュースコットの体調不良により、上演が延期になった。
感染症とは別の問題であるというアナウンスはあったが、どんな不調でも心配ではある。
最初は1週間後ろ倒しになると聞いて、「もっと休んで!?」と叫んだ。
そして結局、1ヶ月の延期になった。
人よ、具合が悪い時にはしっかりたっぷり休んでくれ*18。これは全人類に対する祈りである。

9月、怒涛

待ちに待った『Three Kings』の上演!
この日はTwitterの友人たちと「#エアロンドン」というハッシュタグを使って、実際にロンドンに行ったような行動を呟いていた。これがとてつもなく楽しかった。人によって、観劇のスケジュールは大きく違う。直前まで席につけない奴もいるし(私)、余裕を持って会場に着いて、まだ入れない…と立ち尽くしている人もいた。
作品自体も、とても面白かった!パトリックという名前の男が、自分の父親との記憶を辿っていく話だったが、三幕構成、三人の主要な登場人物、ととにかくタイトルに入っている3の数字にこだわっている作品で、これが見応えがあった。


そして、また次回作『Faith Healer』の発表と発売があったので、これも買った。
マイケル・シーンの主演作を観てみたかった*19
このために、ブライアン・フリールの戯曲集も借りて予習もしてみた。

しかし、9月の後半に上演された『Faith Healer』は、自宅のネット環境があまりに酷くて、動画を観られる状態ではなかった。
画面には両手を広げて立つマイケル・シーンの静止画が映っており、声は途切れ途切れに一音ずつしか聞こえないのに、字幕だけがサラサラと流れていくという有様だった。ネットを弄ろうがどうしようとも無理だった。あっさり断念した。

10月、無念

ナショナル・シアター・ライブ・ジャパンで『プレゼント・ラフター』の上映が始まった。が、上映期間中、ガタガタに体調が悪くて行けなかった。涙を飲んで断念。
ところでアンドリュー・スコットとThe Old Vic、よく考えたら2年連続で公演している。最早コラボしている*20と言っても差し支えない。

11月、機会到来

再びのIn Cameraシリーズで『クリスマス・キャロル』の上演が決まった。
しかも主演はアンドリュー・リンカーン*21
これもホイホイとチケットを買った。寄付も忘れずにした。

オリヴィエ賞受賞記念で、『プレゼント・ラフター』が1日だけ再上映されることが決まった。
どうしても観たくて観に行った。
いやー流石オリヴィエ賞主演男優賞受賞者ですわ…という貫禄とキュートが詰まっており、最高だった。なんだったんだあれは。
NTLは始まる前に劇場前で解説が行われたり、次回作のアナウンスや関係者のインタビューが挟まることが多い。
例にも漏れず今回もそうで、The Old Vicの外観が映った。

それを観た瞬間、訳も分からず泣き出してしまった。

お陰で関係者のインタビューを若干聞き逃した。
それくらい動揺して、泣いていたのだった。
問題なく上演が行われていた劇場の元気な姿に、どうしても気持ちが抑えられなかった。
始まる直前のステージも、前列の観客の頭が映って、あの場所を思い出してまためそめそしていた。
始まった瞬間から面白くてすぐに涙は引っ込んだのだが…

12月、二度あることは三度ある

こうして待ち望んでいた『クリスマス・キャロル』だったが、今度は家のWi-Fiが完全に死んでしまい、もうなす術がなかった。私の住む地域で、土曜日の夜にzoomを観ようとしてはいけないのかもしれない。
予想していた人もいたかもしれないが、結局私はIn Cameraシリーズの4作のうち、まともに観れたのは1回だけなのだった。
来年、Playbackと称したリバイバルをやるらしいので、そこでチャレンジしてみたい。

こうやって観れなくてもいいや、という気持ちでチケットを買っていたのは、3月の公演中止の時に、Old Vicがかなり逼迫した状況だと訴えていたことと関係している。
Old Vicは、国の助成金を受けていない劇場だ。なので、上演をやめることは、劇場の終わりに直結する。202年続いていた劇場のことをちゃんと知ったのはたった3年前だけれど、惜しいと思う。

それでも、こんなに折に触れては思い出し、寄付をし、元気な姿に涙する、そんな場所になっているとは、自分の中でも意外だった。
好きな映画館*22も、劇場*23も、日本に沢山存在している筈なのに。
それでもあの遠い遠いロンドンで、煌々と公演作品のタイトルを光らせていて欲しいと願う。あれはきっと、私の心の灯台なのだ。いつまでもそこにあって、演劇を提供することによって照し続けていて欲しい。勝手な思いを託しているのは百も承知だが、それでもそう思わずにはいられない。
そのために、自分の出来る範囲で寄付を続けていきたい。(結構限界が近くなって参りましたが……)
また、まずは自分の生活をままならない状態から脱出もしたいし、現状の社会も変えていきたい。
そうしていつか、今は無理でも、いつになるかは分からないけれど、また絶対に、再びあそこに戻るのだ。


この話を書いていて、お名前を出すのは少々恥ずかしいのだが、岸本佐知子さんの『死ぬまでに生きたい海』というエッセイが頭の片隅にずっとあった。

死ぬまでに行きたい海

死ぬまでに行きたい海

どちらかというと本編ではなく、連動して行われているTwitterでの企画の方である。この記事も、遠い場所の記憶の一つだ。ボトルに詰めて流すように、ネットの海に放流してる気持ちになる。


果てしなく続くかと思われたぽっぽアドベントも、ようやく最終日を迎えました。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

この企画を主催したことに対して、どうしても私に何かお返しがしたいという奇特な方がいらっしゃったので、もし何かあればアマゾンギフト券でも送ってください。
宛先はこちら→810ibarahato★gmail.com(★→@に変えてください)

ほしいものリストも作ってみました。折角なので、富豪の方、大歓迎です。
www.amazon.jp

まあいやいやそんな余裕ないっすよ、という人は記事やアドベントの企画をRTしたり拡散してくれればそれだけでも十分嬉しいですので、あんまりお気になさらず。
何か仕事紹介してくれる人がいればそれも歓迎です!よろしく!



しかしそれにしても、アドベント企画なんだしアドベントっぽいことを記事内でしてみよう、と思い至ってバーティミアス*24じみたことをしてしまった。そうです、脚注が本来のアドベントカレンダーに沿って24個あります。全て読み飛ばしていいかなあと思いながら書いていました。開いたり開かなかったり読んだり読まなかったりしてね。こういうことをしているから遅刻するんだよっていうのは重々承知している。

しかし遠い場所にまた行きたい、変わってしまった世界からどうにかしたい、という気持ちにぴったりな映画がなんとお正月から公開です。『新感染半島 ファイナル・ステージ』(原題:半島)よろしくお願いします。既に観てますが本気のイチオシです。
一部の劇場ではもう公開が始まってるようなので、気になる方は駆け込みに行ってください。私は年始にIMAXで観たい。

gaga.ne.jp




ムビチケはここから買える。買わなくても映画の日とか都合のいい日に観に行ったりしてくれ。
mvtk.jp


それでは、ハッピーホリデー!

*1:日本で言うところのぴあのようなものだ。手数料は多少かかるが最近のぴあほどのえげつなさはない。メルマガを登録しっぱなしにしていて、ロンドンではこんな舞台を今やっているのか…グギギ…とよく羨ましさでねじきれそうになる。

*2:その時の言葉は「Have a lovely day!」だったと思うが定かではない。「やっぱ「Lovely」ってこういう時使うんだな」と強烈な印象を抱いたことだけは覚えている。

*3:この頃は感染症の直接的な恐怖よりも、ロンドンに限らず欧米でアジア人差別が表面化している…と言う話をちらほらと聞いており、どちらかと言うとそちらの方に身構えていた。私たちが旅立った頃、ダイヤモンド・プリンセス号での感染が認められていた頃だった。私はこの旅の間に直接的に何かを言われたことはなかったし、言葉を交わした人たちやそうでない人たちも、皆驚くほどに優しかった。ロンドンの人はお節介な人が多いのか?と思うくらいだ。ただ、道などですれ違い様にネックウォーマーなどを口元へたくし上げて去って行く人は何人かいた。言うまでもないことだが、これは私個人の記録である。

*4:3年前と比べて、明らかにヴィーガン向けを謳う店が増えた。また、そうではないレストランにも、ヴィーガン向けのメニューの記載がかなり多かった。私がちょうど去年ヴィーガンについて仕事で調べる必要があったため、解像度が上がっていたから余計に目についたのかもしれないが、それでも通りを歩いていても目に入ってくる情報として多かった。そのため、しばらくヴィーガン向けのメニューばかりを頼んでみることにして、その矢先であった。どれもこれも美味しかったのだが、そのスムージーだけはあまり好きな味ではないと思っていたら、ぶつかってこぼして全部スカートが吸っていった。ちなみに染みは洗ったら落ちたのでそこだけは不幸中の幸いである。

*5:一幕形式の短編である『ROUGH FOR THEATRE Ⅱ』と、同じく一幕形式の中編である『Endgame』が休憩を挟んで行われた。二つの作品を見たのは初めての経験だった。ランタイムは全部で2時間ほどだったと思う

*6:正直なところ、エンドゲームがメインで打たれていた興行で、その他もろもろ、くらいの意味だと思っていたらガッツリタイトルだった。またもや痛恨のミスである。はっはっは。

*7:初めて会った時のことは、こちらの記事に少しだけ書いてあります。ダニエル・ラドクリフと私(お誕生日おめでとう) - 熱に羽化されて

*8:ところでアラン・カミングと言えば映画『チョコレート・ドーナツ』で観ている人も多いんじゃなかろうか。そしてこの『チョコレート・ドーナツ』は現在日本で舞台として上演されている。映画でダウン症の少年マルコ役をダウン症のある俳優が演じていたが、今回の舞台でもそれが踏襲されている点では評価したい。しかし観れていない。

*9:The Old Vicでは、あまりに人が多いためなのか、ダニエル・ラドクリフのステージドアは劇場のロビーで行われる。一旦外に出て並び直し、チケットに印をつけられてロビーに戻るシステム。この方式を採用している人は他にいないのではないかと思われる(もしいたら教えてほしい)。正直なところ、室内で行われるステージドアという名のファンサは、俳優にとっては暖かいし明るいので写真も撮りやすいので、もし劇場側が許すのならば積極的に取り入れてほしいと私的には思う

*10:シラノ・ド・ベルジュラック』を2回、『ワーニャ伯父さん』『SIX THE MUSICAL』をそれぞれ一回ずつ。今思えばシラノがNTLに来るのがほぼ確定していたのだから、一度はもう一回エンドゲームの方にしておけば良かったな…と思ったが、いやいやジェームズ・マカヴォイの生の演技は観ておきたいでしょという気持ちが今回は勝ってしまった。ちなみに今回観た中で一番良かったのは『SIX』だ。今年のSpotifyの再生回数上位がこのミュージカルの楽曲で埋め尽くされていた。

*11:これに突然気づいてチケットを買い足したり移動したりしたのであった。今回の主宰のジェマ・アータートンにも感謝しても仕切れない。会えたよーーーー!リス・エヴァンスやらアリス・イヴやらフレディ・フォックスやらが出てくる豪華なイベントだったけれど、何故か同行者が一番楽しみにしていたチュイテル・エジョフォーだけは登壇せず(恐らく途中でキャンセルになったのだろうが、アナウンスがどこにもなかった)、我々を混乱させた楽しいイベントだった。

*12:いやあよくやったよな「WERQ THE WORLD 2020 in TOKYO」!!!!(褒めてるわけではない)当初よりも減ったけど、結局7人もドラァグクイーンが来日するとは思わないじゃん……めちゃくちゃ楽しかったけど、誰も感染せずに済んだかどうかは分からないので、祈るしかない。狂乱の宴だったよあれは。そしてあの時はCOCOAもまだできてなかった。

*13:今考えると正気の沙汰じゃないスケジューリングだな…今はそんな元気がとてもじゃないがなくなってしまった。悲しいことに。ちなみにマチネは『偽義経冥界歌』、ソワレはMAMAMOOのライブだった。偽義経はライビュで観ることが出来たのだが、ぶっちゃけあまりに自分に合わずにライビュでよかったわはっはっは、となっていた。MAMAMOOは来日中止になっちゃったね…

*14:生まれて初めて退職エントリを書いた。 退職しました - 熱に羽化されて  そこそこの人に読まれたのではないかと思う。あんなに優しく暖かいコメントを見知らぬ人たちから頂いたのも、恐らく初めてだと思う

*15:結局改めて確認したところ、ちゃんと観れたのは『Jane Eyre』と『This House』のみだった。『Barber Shop Chronicles』などという本国のアーカイブにも本来ないような超貴重な作品も配信していたのに…うう…

*16:二人ともちょこちょこは拝見している俳優さんで、しかしガッツリは、特に舞台に至っては尚更観たことがなかった。そう言えば『ドクター・フー』シリーズの履修は今も尚全く進んでいません

*17:この映画は原作者が脚本を手がけていたのに、観ている間ずっとだめだった…『ウォールフラワー』なんかは原作者が監督になっててだい好きな作品なのに。思えばこれが初のバヨナ監督作視聴だった気がする。バヨナとはこの後和解した。そして原作の小説は結局読めていない。

*18:虚弱団の一員から切実に送りたい気持ち。今年は友人たちの具合が悪かったり、気づいたら入院してたり、とにかく心配で仕方ない。私も病院には通いまくっている日々ですが……逆に元気が有り余ってる人がいたら、献血にでも繰り出そう。

*19:マイケル・シーンに関して、ドラマ『グッド・オーメンズ』と映画『パッセンジャー』しか観たことないの、結構めちゃくちゃな気がしている。トワイライトを観ると一作クリアされるのだが、これはこれでどうかと思う

*20:コラボと言えば、『プレゼント・ラフター』の演出はOld Vicの芸術監督でもあるマシュー・ウォーチャスで、彼とアンドリュー・スコットと言えば、映画『パレードへようこそ』である。是非観てほしい。

*21:ウォーキング・デッドで有名になった彼が、あのシリーズを卒業した後に、こうやって舞台や他の作品へガンガン出て行けるようになったのが嬉しい。一度だけ会ったことがあるけれど、超優しい人です。

*22:やっぱり川崎チネチッタを筆頭に上げてしまう。ラインナップは勿論、音響へのこだわり、独自の発券&ポイントシステム、コンセッションにもこだわり、そして何より頭かぶりをしない!最高の映画館。チッタ愛してる!徒歩5分圏内にあれば多分人生の半分は通う。

*23:日本で好きな劇場と言えば、日生劇場東京芸術劇場かもしれない。どちらも沢山色んな作品のために観に行った、思い入れのある劇場だ。

*24:地球とよく似ているけれど私たちのとはちょっと違う世界が舞台のファンタジー小説。このタイトルにもなっている悪魔バーティミアスの一人称が軽快なこの作品、史上でも屈指の脚注が多い。しかも大抵バーティミアスが昔のことを思い出して、本編からはみ出てしまったような話を書いたりしている。まさに今のこの脚注と同じようにね!

#ぽっぽアドベント 、今年もやります

今年ももうこの季節がやってきました。
タイトルの通りです!
去年、ぽっぽアドベントというオンライン上のアドベントカレンダー企画を主催したのですが、またやってほしいとのお声を沢山頂いたので、再び企画することにしました。
ぽっぽアドベントって何よ、と思った方は、是非こちらの記事をお読みください。どういった趣旨なのか、またどういう遊びなのかを細かく書いています。

ibara810.hatenablog.com


今年のテーマは「変わった/変わらなかったこと」となっています。
どちらを書いても、またどちらも書いても構いません。
まだ先の見えない状況の中、生活が一変してしまった方も多いと思います。そんな気持ちを書いていただいても結構です。好きなものは相変わらず好きだったわという話も、こんな自分は知らなかったと思うことや、どうしても欲しかったものを手に入れたことで劇的に生活が変わった!や沼に足を取られ続けていたり、意外と面白いものの発見や、動き始めた活動や勉強を継続中です、などなど好きな話を気軽に読ませてください。

ちなみに去年のテーマは「私が動かされたもの」でした。
去年私が参加して書いた記事はこちら。珍しく嵐のことを書きました。

ibara810.hatenablog.com

 

参加したい!という方は、こちらのページから登録出来ます。
現在1つ目のカレンダーは既に埋まってしまっているため、2つ目のみ登録が可能です。

※11/11時点で2つ目も埋まったため、3つ目のみ登録できます。
今後、もしキャンセル等出たら随時アナウンスしていく予定です。

adventar.org

adventar.org

adventar.org

去年の参加者様には、一足先にお声掛けをしました。そうしたらありがたいことに、25枠があっという間に埋まってしまったので、今年も去年と同じく2つ目のカレンダーを立てました。
流石に3つカレンダーを管理する気力はないので、これ以上は増えません。

【11/11追記】泣きの3つ目立てました。本当にこれ以上は増えないのでよろしくお願いします。

 

特に書き手として参加しなくても、読んで感想を呟いてくれるととっっっっても嬉しいです!
気軽に #ぽっぽアドベント で呟いてくださいませ。読まれてるなって元気が出るよ!
去年も沢山の方に感想頂いて、本当に嬉しかったです。全部読んでます。何度も読んでます。読む度に、企画して本当に良かったと思っています。書き手と読み手、どちらもいて完成する企画だと思っていますので、この場を借りて心からお礼を言わせてください。本当にありがとうございます。

 


正直12月の自分がどうなっているか予測が出来なかったので、どうしようかな…と思っていたのですが。
またやってほしいなという声が多かったのと、自分がまた読みたいな、という気持ちが強かったので、まあぼちぼちやろうかな〜とぼんやり考えていました。そんな時、フォロワーのたけのこスカーフさんがアップされていた記事を読んで感想を呟いたところ、ぽっぽアドベントに憧れて…と教えてくれて、それが最後の一手となりました。嬉しいし、またこういうことがきっかけに、様々な人が描いてくれたら良いなあと思います。

note.com

素晴らしいたけのこスカーフさんの記事はこちら。

 

そんな訳で、12月の私は、主にTwitterがまたもやうるさくなると思いますので、何卒よろしくお願いします。
ただ私は今年は書かなくても良いかなーってちょっと思っており……もし何か書けってことがあったら教えてください…

ちなみに最近は、一つ前の記事で挙げていた30日ヨガチャレンジは体調を崩して見事に挫折、パラドックス定数は一つだけ観てお祭り状態という感じです。みんな、12月には元気で会いましょう!(オンライン上で)

 

 

ちなみに、去年のクリスマス当日、何やってたかなと思ったら嵐のコンサートオーラスのライブビューイング行ってた。

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そして次の日にはハイローザワーストの応援上映&ランペイジのライブというお祭りに参加しており、怒涛の年末進行の合間に終わらないと泣きながらアドベントカレンダーの記事を書いていたのであった…今年はそうならないようにしたいね!

 

30days Yoga Challengeを始めます

単なる決意表明なんですけども。

 

6月とか7月までは割と励んでいたヨガ、8月になってからガクッとやる頻度が下がってしまった。
9月はまた持ち直したんだけども、毎日朝10分、簡単なものをやっておしまい、になっていたので、10月はもう少し強度の高いものにまた挑戦したい気持ち。

そんな時に、私がいつもYouTubeでお世話になっているArisa Kubotaさんが30days challengeの企画を始めるそうなので、私も参加します。
朝ヨガって書いてあるけど、別にいつでもいいよということなので甘えてみる。

 


【朝ヨガ完全版】DAY 1 全身ストレッチヨガ - 30 DAY ヨガ Growth

 

早速第一日をスタートしてみた。
チャイルドポーズから始まったので、ゆったりめかな、と思ったら結構しっかり筋肉動かすものだった。完全に油断していた。
それでも動画にして10分ちょっとだったので、なんとかついていけた感じ。
元々朝にやっていた、首や肩、そして股関節を伸ばしてほぐしていくだけの朝ヨガと組み合わせて、できるだけ続くといいな。

 

毎朝やってるのはこれ。


朝ヨガ 起きてすぐ全身ほぐれる!| Wellness To Go by Arisa


これは全然辛くない。準備体操みたいな感じ。

股関節をしっかりほぐすので、朝一でやるといい感じ。

あと、ブルドッグのDEBUちゃん(すごい名前だ)がヨガやってる間うろうろしてて、それがすごく可愛くて癒やされる。



ヨガ、昔心身共に異常をきたしてた時、新陳代謝がガクッと落ちてしまって辛くなってたら、母がやってるヨガに一緒に行ったらどう、というか通ってこいと言われて無理やり連れて行かれた所からスタートでした。
元から体は硬いし、加えて汗っかきだったのが全くかかなくなってしまって、これはおかしいなって親も思ってたみたいなのですが、通っていったら少しずつ改善されました。
正直アーユルヴェーダのこととかよく分からないので、運動法の一つだと思ってるんですけど、手軽に取り組めるので今の私にはかなり合っているかなあと思いながら続けています。
簡単だけど、一方で、深めようと思えばかなり強度の高い筋トレみたいなことも出来るので、やりようによって体を鍛えられるのがいい所だなあと思っています。
でも基本無理しない、息してるだけで偉い!ってヨガの先生は褒めてくれる人が多いので、自己肯定感が低い人にもお勧めしたい。
始めた当初、死んじゃいたい気持ちがかなり強かったのと、運動が出来ないことがコンプレックスで嫌だったんですが、

「比べるなら自分と」
「出来るようになってたら喜ぶ」
「出来なくなっていたら、今日は調子が悪い日だから無理しない」

みたいな、自分の体調を客観的に見つつ、出来ることが増えたら褒めようという考え方でだいぶ楽になりました。
それでもバランスを取るポーズとかでうまくいかなくて泣きながらやった回とかあるんですが…(これは私が勝手に泣いてるだけなので、特に誰のせいでもないんですが…)

今この状況だとスタジオに通うのは迷う所だと思うので、YouTubeで見ながらやるのもありだと思います。
ただ、全くの初心者が首をついたりするポーズ(ウサギのポーズとか)は、一度プロに習ってからがいいと思うのであんまりお勧めしません。出来る範囲でやろう。

 

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そう言えばうだうだ悩んでたヨガウェア、買ってみたけど着心地よくて良かった。

かわいい!と思って買って満足してるんだけど、ちょっとだけエヴァの初号機カラーだなと思いながら着ている。



ところで、30日チャレンジ系といえば、そろそろ年末のアドベントカレンダーなんですけど、今年はやろうかな、どうしようかな、と迷っている所です。

書きたい人、どれだけいるかな。

パラドックス定数と浸る2020秋冬

今年は今までにないほど配信で舞台を観ている。
半分以上がロンドン発のものなのだが、ここにきて国内作品への情熱が高まっている。
と言うか、劇団「パラドックス定数」への情熱である。


今日、素晴らしいニュースを教えてもらった。

2020年12月の新作公演と、2018-2019年に公演された7つの作品を、YouTubeで無料公開するとのことだった。
年末に公演が決定していたのは既に出ていたが、まさか過去作品をYouTubeで公開してくれるとは思っていなかった。


私とパラドックス定数の歴史は浅い。
実際に観劇したのは上記の作品の一つである『Das Orchester』だけである。
それこそ名前を見かけたのは、2018年か2019年頃だと思う。演劇をよく観ているフォロイーが熱心にお勧めしていたのがきっかけだった。
ただ、薦めていたのはその人だけではなく、普段演劇よりも映画の話が主だった人も、同じく強く薦めていた。
普段呟いている系統の違う人たちが3人、同じものを話題にしていたらそれは面白い可能性が高い。そんな基準を持ち合わせている私は、パラドックス定数も面白いのだろうとなんとなく思っていた。それでたまたま日程のあった2019年の3月、『Das Orchester』を観に行ったのだが、これが大正解だった。
あの時の私にはドストライクだったし、この世には私がまだ知らない面白いものがある!と強く思わせてくれた。
しかし、パラドックス定数はその公演を最後に、暫く休止するとのことだった。
何故もっと早く観にいかなかったんだ!1月にも公演があったのに!と自分を責めたが後悔先立たずというやつであった。
しかも、もっとおすすめが…と薦めてくれた方の話を聞いて、ますます観たくなっていた。

 

その後、演出の野木萌葱さんが脚本を手掛けた『骨と十字架』も面白かったが、私の好みは『Das Orchester』の方が合っていた。
なのでこの過去作品公開は、とても嬉しい!
今ちょっと踊っている。正直言って最高だ。再演は難しいと思うので(やってくれれば行きますけど!)、今観せてもらえるのが本当にありがたい。
どうしてこんなに好きなのかは、既に観た方は作品を思い出して、そして観てない方は公開される11/20に答え合わせをしましょう!



もし万が一関係者の方がこのブログをご覧になっていたら、出来たらですが、そして微力ながらになりますが、どうか課金させてください!
年末の『プライベート・ジョーク』も絶対行きます!
二十世紀初頭の芸術家の学生寮とか好きな要素しか詰まってない!
楽しみが増えたぞー!

ハッピーマンゴー

友人がこんな記事を書いていた。

sasanopan.hatenablog.com


桃の香りを嗅いで、食べたくなるいい記事だった。桃のあの丸いフォルムが恋しくなる。相葉雅紀が幼少期に頬擦りしたくなる気持ちも分かる*1
果物全般が好きだ。食べることが好きな私の、大きな部分を占めている。フルーツ味のお菓子やアイスも好きだが、やっぱり生で食べるのがいい。夏から秋にかけては果物が豊富なので、それだけで嬉しくなる。特に今、私を幸せにしているくだものについて書きたい。


先日コストコでマンゴーを買った。8個入りで1000円ちょっと。近所のスーパーでは考えられないほどの破格である。
普段、マンゴーは身近に買って食べない。マンゴー味のアイスとかパフェは見かけたら頼みがちだけど、果物そのものを買って食べる機会はなかった。予算から大幅にはみ出る。それでも今年は、半額で叩き売られていたタイマンゴを買ってそれで満足していたのだけれども、これは幸せをそのまま購入したようなものだった。

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大振りの、既に熟れている実は片手で持つとずっしりと重たい。買った時はもう少し緑を帯びていたのが今は追熟して赤みが増している。マンゴーには太陽のタマゴと言う種類のものがあるが、これは何かはよく知らない。知っているのは、メキシコの太陽を浴びていたことだけだ。

マンゴーを剥く時は、真ん中の種を見越して三つに分ける。ちょうど魚を三枚おろしにするのと似ていると思う。種が含まれてない両端は、そのまま皮を剥いて適当な大きさに切って家族に振る舞う。
そして、この真ん中の部分こそ、剥いている人の特権である。適当な端から皮を千切って、種の周りの果肉にかぶりつき、これでもかと言うくらいにしゃぶり尽くす。切れ目を入れた瞬間から溢れている果汁が、持ち上げて齧りつくたびに指から零れ、手のひらを通り越して肘まで伝ってびどびどになる。ああ勿体ない、の気持ちが勝つと、行儀悪く腕を舐めたりする。かじっていく内に、果肉が減って繊維ばかりになっても、歯で何度も噛んでは吸い尽くす。マンゴーは、こんなに意地汚く食べてしまうほどの魅力を秘めている。単に私の食い意地が張っているだけの可能性はちょっと置いておく。


マンゴーは不思議な果物だ。みずみずしくて、切っただけでも止めどなく果汁が流れていくのに、果肉は全く水っぽくない。むしろ水を飲みたくなるような甘さが先に来る。濃厚で滑らかな舌触りだが、一瞬の内にいなくなってしまう。例えば桃ならもう少しみずみずしさが勝って、しかししっかり甘みも感じられるが、水分が欲しいとまでは思わない。けれど、バナナみたいに水分が全然感じられないようなタイプの果物でもない。ねっとりとした甘みとジューシーさを兼ね備えた、希有な食べ物である。


果物には様々に加工した食べ方があり、マンゴーも例に漏れないが、どうしても生でそのまま食べるのが好きだ。これはマンゴーに限らない。
果物のジュースも好きだ。特に濃縮還元ではなくストレートの100%果汁のジュースは最高だ。マンゴージュースも好きだが、ジュースならグァバの方が好きだ。
白ワインに漬けてマンゴーサングリアにすれば良かったと後から気づいたが、気づいたら漬けるほどの量はもう残っていなかった。ああ、至福の時は終わりが近い。


そんな私の先日のおやつがこちら。

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桃、嬉しいね。

*1:相葉マナブにて、幼少期に桃があまりに可愛くて頬擦りして痛めたエピソードを先日話していた

髪の毛一本たりとも関係ない

先日、髪を切った。約三ヶ月半ぶりだった。
普段ショートカットが常の私だが、前回切った時はあまり長さをいじらなかった。
そのお陰で、切りに行く頃には肩に髪の毛がつきそうなくらいの長さになっていた。これは、私の基準で言えば「とても長い」に当てはまる。
ここ2、3年はワンレングスの前髪に前下がりのショート、たまにサイドや後ろを刈り上げていたのだが、今回は暑さ対策として新しい髪型に挑戦してみようと少しだけ思っていた。

やりたかったのは、映画『二ツ星の料理人』の登場人物、エレーヌの髪型である。
予告に出てくる、リクルートされたり出て行けと言われたりする料理人の女性だ。 

 

youtu.be

この映画は、主人公が才能はあるがどうしようもないろくでなしで、一度は自分の店を壊して全てを失ってしまう。そんな彼が一から奮起して三ツ星レストランを目指す話である。
人間は支え合いが必要なことを描いているのと、プロフェッショナルの仕事っぷりと、美味しそうな食事が沢山観られるのでとても好きな映画だ。怒鳴り声が苦手な人はちょっと注意が必要。
Netflixにあるので、時間のある時にどうぞ。

www.netflix.com

 

話を元に戻す。
私が参考にしたエレーヌは、髪の毛を下ろしていれば長めのボブっぽく見えるのだが、髪を結ぶと後ろが刈り上がっているという、あまり見ないスタイルの髪型である。想像出来なかった人は、先程紹介した予告を見て欲しい。
これはただ単にショートカットにするよりも絶対涼しい。結んだ方が涼しいと聞いていたが、更に後頭部の下の部分に髪の毛がなければ更に涼しいだろう。
しかもパッと見は刈り上げとは分からないので、TPOに合わせて髪型を変えられるのも魅力だった。特に今髪型にどうこう言われるような環境ではないため、好きに出来るのだが。

ただ、髪の量によっては結べないこともあるだろうと思って、出来なかった場合はいつも通りのショートカット、でもそれもいつもよりうんと短くしてやろう。そう思いながら美容院に行った。
私はいつも切りたい!と思ったらもうその日か次の日には切りたいと言う面倒くさい衝動に襲われるタイプのなのだが、徒歩で行ける近所のかかりつけは、最近は混んでいるから少なくとも1週間後と言われた。人数制限をしている中、緊急事態宣言が解除されたので予約がひっきりなしに入るのだそうだ。
大人しく1週間待ち、ようやく当日を迎えた。いつもの担当の人に実際に写真を見せて説明をしたら、「うーん…」と言うので、ああやっぱりちょっと長さが足りなかったかしら、と思っていたら、予想外のことを言われた。

 

「ちょっと個性的過ぎるけど、良いの?」

 

「はい、問題ないです」と間髪入れず即答した。まさかそんな答えが返ってくるとは思っても見なかった。この人は今までも私が刈り上げてくれ、とお願いした時にもほんの少しだけ、何度も確認されたことがあった。が、それはまだ私が通い慣れていなかった頃の話である。
「この辺りだとそういう髪型の人はあまりいない」とも言われた。百も承知である。けれどそれは私にとっては何の問題もない。人の目を気にして自分のやりたい髪型をしないなんて、馬鹿げている。
この髪型だと後で修正があまり出来ないから、本当にやる?と尋ねられて、なかなか始められなかった。
リスクに関しても分かっていると話した。気に入らなければ単なるツーブロックにして貰えば良いと思っていたのだった。
結局お願いした髪型にしてもらうことになったが、後ろの刈り上げもハサミでやろうとしたので、いやバリカンで、とお願いした。ハサミで刈り上げる方が、シルエットが丸みを帯びて綺麗なのは知っている。しかし私が求めているのはそれではない。なんなら形は見えないことの方が多い。涼しさなのだ。出来るだけ刈り上げは短くするに限る。
しかし、バリカンも一番長く髪が残る設定でされたので「いやもっと短く」「すみません3mmでお願いします」と繰り返していた。どうせ1週間も経てば6mmにも9mmにもなるのだ、頼むから短くしてくれと言うオーダーを繰り返すのは時間の無駄ではないだろうか?
結局、切り終えたら「あ、結構良いな」と担当の人は言った。
ほらーーー言わんこっちゃない!!!と心の中で叫んだが、口にはしなかった。
普段よりちょっぴり疲れて美容院を出た。担当の人は映画が好きな人なので、普段は色々映画の話をするけれど、その日はあまりしなかった。

 

美容院で言われる「女性らしいシルエット」みたいな表現が嫌いだ。
私の自認は今のところ女性だが、「女性らしい」と言うものの規範に収まるかどうかは私が決める。
勿論、今はもうちょっと丸みを帯びた髪型の方が今は良いな、と思う時も10年にいっぺんくらいはあるので、それが世間一般で言うところの「女性らしい」に当てはまることはある。けれど、私がやって欲しいと望む髪型を示す時に「女性らしさ」と言う言葉は使ったことがないし、そこはお願いしていない。「可愛くして欲しい!」とお願いして、それに合わせてやってくれるのはありがたいしやったこともある。
けれど、望んでいない時に余計なオプションをつけないで欲しい。
美容師さん達は、勿論プロフェッショナルなので「こう見える」ことに対してきちんと見てくれる。
流行りの髪型などもあるので、それを個人に落とし込むのもとても上手だ。
けれど、お願いだからあまり見ない髪型だからって拒否しないで欲しい。人と違うことに怯えていない人に対しては、そんなにブレーキをかけなくて良い。

 

話は変わるが、先日大学生の従姉妹とテレビ電話をした。大学がオンライン授業になり、バイトも出来なくなっていたので、緊急事態宣言が始まる遥か前に実家に帰っていたのだった。
しばらくぶりに話す彼女はずいぶん髪が伸びていた。
「髪でも染めようかな」と言うのでどう言う感じにしたいのか、貴方ならこう言うのも似合うかも、みたいな話をした。すると、彼女はこう言った。
「でもね、この辺りだと金髪にしただけで不良になったの?って言われるからちょっと難しいんだよね」
たかが髪の毛なのに、と思ったがまあ向こうの、本人と言うよりも住んでいる地域に関しては様々な事情があるので何も言えず、「そうだよね」と同調して終わった。果たして同じ立場におかれたら、私だってちょっと躊躇するだろうと思った。まあ躊躇した後やりそうなんだが……

 

どうして人の髪型や髪色に対して、驚くほど文句をつけたり変な目で見る人が多いんだろう。
ここ最近も、「ツーブロック禁止」と都立高校の校則が話題になっていた。

https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/two-block-hair-style-school-rule

ある程度のTPOはある(私のこの言葉も既に曖昧だが)が、危険に巻き込まれやすいとはどう言う定義なんだろう。
工場で働いている人が、髪の毛がベルトコンベアに挟まる危険があるので結ぶか巻き込まれづらい髪型をするか、帽子などに仕舞い込む必要がある、と言うのなら分かる。この状況下で髪型に関するルールを守らないと、命に関わるレベルで危険だからだ。
しかし、この校則は分からない。規定の中に当てはめることに躍起になって、本来何故この校則があるのか、それは時代に沿ったものなのか、と言う話がされないのも残念だった。
何より、他人の見た目にどうこう言う人間が多過ぎてうんざりする。
私が刈り上がっていようとも、男子高校生がツーブロックだろうとも、法律に反しているわけではないし、他人の人生とは全く関係ない。
他人の見た目にケチをつけたり、文句を言う人間が多過ぎると思う。
「太ったね」とかもそうだ。「男らしくないね」「もっと女っぽい格好すれば」「肌の色が違う」こんな言葉達、ぜーんぶ、言わなくて良いことだ。
もしそれを言いたくなるような気持ちになるなら、それはどうしてなのかを考えて欲しい。
言われた側は、傷つくけれど、傷つく必要は一切ないので、言い返すなり、美味しいものを食べて忘れるなりしてください。心ないことを言われた人が、減りますように。

 

ちなみに今、1週間ほど経ったが、この髪型は驚くほど快適。
ヨガをする時、寝転がるポーズ以外は結んで出来る。
腹筋を鍛える時、終わると襟足がびしょびしょになっていたのがタオルで拭くだけで解決する。
結ばなくてもそこまで邪魔ではないので、何もしなくても良い。
ドライヤーをかける時間も短縮された。大変に良いことづくめで、私の頭はとても軽い。

 

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左側に髪の毛を寄せているが、この下も全て刈り上がっている。

ちなみに、このドピンクのTシャツは、ランクヘッドのライブTシャツです。
うしおととらのテーマソングとかやってるから、ついでに聞いてって欲しい。

 


LUNKHEAD「決戦前夜」(ショートver.)