熱に羽化されて

好きすぎてこじらせたうわ言や思考の整理など

2月が終わる

今週のお題「試験の思い出」

 

のに、今年の目標の「月に2〜5本ブログを書く」を早速破りそうなので、1日に2本更新とかいうしょうもないことをする。今度はテーマに沿って書くので、全然違う切り口。

 

5月にTOEICを受けようと思っていて、ちょうど今日勉強時間を記録するアプリから「試験まで後90日です」と言われて焦る。単語帳が終わっていない。というか、単語帳を1周したことが人生で一度もない。我ながら怠惰だと思うが、それこそ高校の時に手を出してみたDuo3.0を未だに抱えている。5月までに終わったら報告するね。

 

人生で一番頑張った試験は間違いなく高校受験だと思う。中3の夏期講習から通おうと思って6月に申し込みに行ったら、その志望校でその成績だと夏からじゃなくて今からおいで、と言われて次の日から通うことになったのは今でも忘れ難い。死に物狂いで頭の中に詰め込みまくり、覚えたものを片っ端から使って勉強した。でも学校の授業の100倍は面白くて、なんだこんなことならもっと早く行っておいて、ギリギリになって無理やり詰め込むんじゃなかったなと思った気がする。
志望校は、その年の倍率が低かったのもあったが、問題と私のタイプが結構がっちり合っていたので無事に合格した。
そんな感じで疲れたのと高校デビューしたのとで、高校では全然勉強しなくなってやっぱり詰め込みまくって常にギリギリの道を歩んでいた。


ぎりぎりでもやればなんとかなる、というよくない覚え方をしてしまい、これは今思うと結構人生の痛手になっている。基礎を積むのは大事だ。受かったのは結構相性の問題が大きかったな、と思う。まあだからこそ高校も大学も自分には合っていて楽しかったのだけれども、基礎を積み上げることはついぞしなかった。
なので5月までは地道にやる。ぞ。

 

 

DUO 3.0

DUO 3.0

Amazon

 

 

満身創痍

2月は『355』や『マーキュリー・ファー』の感想を書こう…と思っていたのに、中旬から小さな不調が重なりまくって大惨事になり、後半は殆ど何も出来なかった。舞台のチケットは取るか取るまいか、この状態で行くのか行かないのか、と悩んでいるうちに体を壊してほぼ全部行かなかった。チケットを取りまくっていなくて良かった、と思うものの、配信でもいいから観たかった、というものばかりが連なっている。しかし体が弱すぎる。すぐ発熱するので怯えながら検査を受けるしかないのが辛い。もっと検査を拡充してほしい。受けられないでパンクしている箇所が多すぎる。医療従事者の方々は本当によくやっていると思う一方で、現場に押し付けるばっかりで全くと言っていいほど対策も立てず、舵も切らず、改憲をしたいことばかりをちらつかせている政治家たちにうんざりする。私が投票した人ではない人々によって構成されているが、もう見張っては声を上げることを地道にやるしかない。次の選挙では与党及び維新及び国民民主党を勝たせてはならない、などと言っていくしかない。私は楽をして生きていきたいので、貧乏と戦争を呼び込む政治家はいらないのだ。もう少し豊かな国になってほしい。

 

そんなことをワクチンを打ってもいなければそもそもcovid-19にもかかっていないが1週間以上午後になると微熱を出し続けてヘトヘトになっている体で思う。やっと先日から平熱が落ち着いてきた。色々あって1週間に2度も検査を受けたが、結果が陰性なのと、ぶつけた小指が折れていなかったことが救いだ。
大事には至らないが、小さなダメージが人より出やすいので、理学療法士に「姿勢を改善しよう」「毎日歩こう」と80代後半とそろそろ90歳になる祖父母とほぼ同じことを言われている。元気過ぎる祖母はこの状況に非常に参っているが、それでも私より元気なのだから偉いと思う。

体調が悪くなると、いろんなところにボロが出る。たとえばスキンケアをする元気がなくなるので、肌の調子が悪くなる。爪のケアもできない。とにかくセルフケアと呼べるものがおざなりになっていくのだ。ケアというよりは生存をかけた回復が先になるので、「寝る」「食べる」辺りが大事というかそこが出来ればクリア、みたいなぎりぎりラインなので、他の綻びまで戻すのには一苦労する。

間違っても具合の悪い時に本を読んではいけない。

大失敗した…というか分かっていたのにやらかしたので自業自得感も否めない。

 

らんたん、滅茶苦茶面白かった。

 

 

トムホスパイディと完全和解したけれど微妙に成仏し損なった私

※ありとあらゆるスパイダーマンの映画、MCUシリーズのネタバレがあります。

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ノーウェイホームのポスター


スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』感想。

実は公開日前にTOHOの一斉試写で鑑賞。
初見がIMAXじゃないのは嫌だなと思っていたのだけれど、MCUではないが大いに関わるシリーズは早めに観ておいて越したことはない、と思って申し込んだら当たったので行ってきた。結果、ほぼ何も知らずに観れたのでラッキーだった。
恐らくこれを読んでいる人でまだ該当作を観ていない人はいないと思うが、一応あらすじを書いておく。

あらすじ

前作(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)で闘って倒した敵、ミステリオがスパイダーマン=ピーター・パーカーであることを世間にバラしてしまう。ミステリオの策略によりバッシングを受けるピーターは、その存在を知っていた恋人のMJと親友のネッドと共に、希望する大学にも落とされてしまう。ピーターを助けていたことで迷惑をかけてはいけないと、アベンジャーズの仲間であるドクター・ストレンジに相談する。ストレンジは「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーである」ということを全ての人が忘れ去る呪文をかけようとするが、それがうまくいかず、事態は大変なことになっていく…

 

長々とした前置き

本題に入る前に、長年思っていたけれど、上手く書けなかったことをこの際だからと書いておく。
実のところ、トム・ホランドの演じる、というかMCUシリーズに参入してきたスパイダーマンが、私は大層苦手だった。
私は「アメイジングスパイダーマン(以下アメスパ)」のシリーズが好きだった。これがちゃんと映画館で追ってきた初めてのシリーズだったから、というのが大きい。はっきり言って時期の問題である。トビー・マグワイアの演じるスパイダーマンのシリーズは、アメイジングの前にビデオをレンタルして観ていて、ちゃんと映画館で観た記憶がない。当時はピーターとMJとハリーの関係に「なぜそんなことばかり起こるんだ…」と思っていたような気がする。もちろんスウィングは心踊るものがあったし、話は面白かった。これをリアルタイムで映画館で観ていたら、「トビー・マグワイア以外のスパイダーマンなんて認めないよお!」という厄介オタクになっていた気がする。
しかし、私にとってのスパイダーマンは、アンドリュー・ガーフィールドスパイダーマンだった。特にアメスパ2では来日イベントに参加したこともあって、めちゃくちゃ思い入れのある作品になった。アンドリューの演じる、軽口を叩いてお調子者なのだけれど、とてもナイーブで繊細で、グウェンのことを大事に想っているスパイディが大好きだった。親愛なる隣人から受けた恩を、人々が返してくれるのに、いつも胸がいっぱいになった。好きな俳優であるデイン・デハーンがハリー・オズボーンを演じたのも大きかった。
その後、3以降もつくるという話があったのだが、色々あって*1、アメスパのシリーズは打ち切られてしまった。

 

その後、MCUスパイダーマンが合流するというニュースがあり、それがアンドリュー・ガーフィールドが演じるのかどうかで当時の私はキリキリしていた。ちゃんとアメスパ3として話に決着をつけてほしかったので、MCUの方に合流させるのもどうなんだと思っていたし、だからと言って別の人が演じるのも、アンドリューからスパイディを奪われてしまったような気がして、どちらに転んでも私にとっては面白くないことは明白だった。

 

果たして、彼は現れた。トム・ホランドである。トム・ホランダーではない。
全然知らない俳優だった。そして非常に若かった。彼がMCUスパイダーマンを演じる、と分かって苦々しく思った。これは決してトム・ホランドが悪いわけではない。恐らく誰が演じていても、同じように考えていたと思う。(これでアンドリュー抜かしてトビー・マグワイアが戻ってきた場合だけ、イレギュラーな反応をしたと思うが、現実は当然そうならなかった)
彼の初登場である『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』での活躍は、短いながらにもインパクトを残したものになった。アベンジャーズの面々に並んでいるスパイダーマンは、多くの人が待ち望んでいたものだったと思う。面白かった。
その後の彼の単独作『スパイダーマン:ホームカミング』は面白かった。面白かったのがまた、私の機嫌を損ねていた。
トムホのスパイディはベンおじさんこそいないが、保護者として働いてくれる存在がメイだけでなくハッピーやトニーもいる。ハリーと違って裏切らなさそうな親友もいる。いじめられっ子っぽさが薄い。MJは彼女ではないが、恐らく大事な存在になっていくのだろう。
なんて恵まれたスパイダーマンなんだ、と思った。よくよく考えたら、彼女の父親が倒さなければいけない敵として現れ、彼女本人には本当のことも言えず離れてしまうのでかなりキツい体験を彼は彼でしているのだが、当時はそう思っていた。そしてアメスパ2のラスト、親友と決裂して(これはハリー・オズボーンなので仕方ない部分がある)、その親友に彼女を殺されて、理解者を失って、たった1人で、それでも人を救い続けている、孤独なアンドリューのスパイダーマンを思い出して、悲しくなった。1人で彼がどう乗り越えていったのか、その続きは永遠に見られないのだ。

 

(あーあ、もうアンドリューは絶対に帰ってこないんだ)

 


前置きが長いね。でも、ご覧になった人はもう分かってるね。

 

感想

本当に前作の直後から始まって、どうするんだこれ…と思っていたらいきなりマット・マードッグが出てきて度肝を抜かれた。
この時、劇場が大きくどよめいた。これだけでもう、今日は映画館に観れて本当に良かったなと思ってしまった。(このご時勢なのであまりよくないことではあるが)
ここにいるのはチャーリー・コックスが出てきただけで反応できる人たちだらけなのかと思うと、猛烈に愉快な気持ちになっていた。一方で、まだ結局ドラマのデアデビルに手をつけていないことに懺悔した。まだロキも1話しか観てないから許して…
そこからの流れも上手くて、ああまたアンゴーリー・ライスが一瞬しか出演なさそう!とか思いながら観ていた。
「正体がバレてホッとした?」というMJの問いかけがいいなと思った。それに対する「好きな人が知っていてくれたから」(ごめんここうろ覚えだけどこんな感じだったと思う)というピーターの返しにもじんときた。今までのスパイダーマンでは出てこない悩みだったからこそ、彼の胸の内が聞けて良かった。
その後、ダミー(かUか…どっちか分からなかった…)が出て来ると思ってなかったのでそこも泣けてきてしまう。
私は子供が浅はかなのにはイライラしないのだが、大人がそうだとイライラする。なので今回は結構ストレンジに対してイライラしていた。まあ子供と関わりのない人だからどうしようもないんだが…そう思うとトニー・スタークは彼なりに頑張っていたよなあ、とちょっと比べてしまった。
それで言うと、今回スターク社の責任者のペッパーが何の言及もないのが結構問題だと思うのだが、そこはするっと流れていっちゃうのでもやもやはしたんだが…トニー・スタークはいつも責任追及されていたのに……MCUソニーの壁か……

 

で、ここから一気にギアが上がる中盤、ドクター・オクトパスの登場である。アームの質感があからさまに上がっている。しかし老けている感じが一切しないのがすごい。
敵が沢山出てくるんだよーという話だけは聞いていたので、おお、遂に来た!と喜んだ。しかし本当にそんな沢山出てくるのか? ジェイミー・フォックスは流石に出ないだろ、と思っていたらその後バッチリ登場したのでびっくりした。というか、サンドマンリザードなど、1人現れる度にめちゃくちゃびっくりしていた。本当に皆、当時のキャストそのままで出てるの!?
特にジェイミー・フォックス演じるエレクトロは、アメスパ2の時はメガネに変な髪型か、水色に光っているかのどちらかだったので、今回は光っているだけでなく格好良くキメていたので、それがなんとなく嬉しかった。
更にデフォーも出てきて大喜びしてしまった。しかも彼だけ対立しない感じで!
違うアースからやってきた彼らとトムホスパイディのやりとりは、今までの映画と年月を経て進化している技術の差が見えて愉快だった。彼らを治す(cure)ということ自体は、必要な人とそうでない人との差が結構激しいので、身勝手でもあるが…(これは結構ツッコミが入っていた部分だと思う。特にcureというのはX-MEN3で恐ろしい側面があり、マジョリティからマイノリティへ与えるものとして描かれていた一面もあるので)
ここからまた怒涛の展開になっていくのだが、ストレンジ本編顔負けの凄まじい映像で繰り広げられるvsストレンジ戦を、数学で制するスパイディ格好良かった!いやストレンジも医者だから理系の筈なんだが!?笑 あのアストラル体になって空っぽの体のスパイディが動いていた原理は最後まで分からなかった。そういう設定があるのかな? 途中でデパートを通り抜ける時に、鈴の音やらクリスマスの飾り付けが見えて、唐突に「あっこれクリスマス映画なんだ」と思った。後で気づいたけれど、観たのはアメリカの劇場公開の数日後で、クリスマス直前だった。

 

そんな楽しい気持ちは、メイが「大いなる力には、大いなる責任が伴う」と言い出してぶっ飛んでしまった。直前までの戦闘もかなり辛いものがあったが、そこからは泣きっぱなしだった。このピーターはもう一向に気配のないベンおじさんで済ませているのかと思っていたので、嘘だーーー!となった。彼女がいなくなるなんて、さよならを言わなきゃいけないなんて思いもよらなかった。
劇場でもそこかしこで啜り泣きが聞こえていた。

 

ここにきて、そんな…とショックで打ちのめされていたら、それどころではなくなってしまった。
ネッドがストレンジからパクったスリング・リングでピーターの…と言い出した時に「まさか…」と震えてしまった。
ゲートウェイの向こうで手を振っている彼が、トムホのスパイディでないことはすぐに分かった。
彼が喋り出した途端、よく知っている声に泣き出してしまった。
そのスパイダーマンがマスクを取った瞬間、劇場では悲鳴が上がった。一番のざわつきだった。

 

アンドリューがそこにいた。

 

出ないって散々言ってたじゃん!
あれがファンのための優しい嘘だったかと思うと、なんて人なんだと思う。
正直、今思い出しながら書いてるだけでも泣けてくる。こんな奇跡があるものか。
アンドリューのスパイディが登場してからMJとネッドの疑いまくりな視線とやりとりがおかしくて愛おしくて、どうしたらいいのか分からなかった。天井を這わされ、蜘蛛の巣の掃除をさせられている…こんなコミカルにやってくれるとは思わなかった。もうずっと泣き笑いだった。
そこからトビーまで出てきて、もう一回劇場から悲鳴が上がった。こんなに心がめちゃくちゃにされること、ある?
しかも2人でそのまま軽く小競り合うとは思っていなくて、もうその時点で私の理解は追いついていなかった。2人のバトルとも言えないバトルはすぐ終わったけど、あんな夢みたいなことが起こるなんて想像していなかった。
そこからピーター・パーカーだからこそ、トムホのピーターに寄り添う2人にも泣かされたし、その後の反撃のために改めて学校の化学室に集まってやいのやいのするのにも、笑いながら泣いていたと思う。しかも、後で知ったけれどアンドリューが相当アドリブやらアイディアやら出していたと知って、さすが6歳の頃からスパイダーマンが好きなオタクはすべてを分かっている…!と震え上がった。
まさかファンアートでは観たことのある3人のスパイダーマンが集まって、みんなピーターだからって返事をしたり、君はこうだけど違うの?なんていうやりとりを、映画で観れるなんて誰が思っただろう? 万が一アンドリューとトビーが出てくれたって、カメオ出演くらいのものだと思っていた。というか、敵は出ても2人は出ないだろうと思っていた。出る筈がないと。
それが全部覆されてしまった。2人はスパイダーマンとして、きちんと大いに戦ってくれた。アベンジャーズ?なにそれ?バンドやってんの?のくだりもおかしくて仕方なかった。2人は本当に、それぞれが孤独に闘っていたよね、としみじみしてしまった。だからこそトムホスパイディがチームワークの話をするのも良かった。しかも腰を痛めてる中の人ネタまでやるなんて!私は何を観ているんだ?
アンドリューがMJを救ったシーンはもう、この野郎、というか製作陣、やりやがったな…!とジャビジャビに泣いていた。いやもうずっと泣いてたんだけどまだ泣けるのかというくらいに泣いた。ごめん声が出た。こんなやり方ってある?
私はMCUの、今度こそ!というシーンに弱い。キャップがかつて掴めなかった親友の手を掴むところや、他の誰かを今度こそはと救えたシーンが大好きなのだ。もう完全に打ちのめされてしまった。本当は、本当はあの時グウェンをちゃんと助けてあげてよ、と思うけれど…コミック通りと言われたらそれまでだけど…

 

最後、グリーン・ゴブリンを殺そうとしたトムホスパイディを、トビースパイディが止めるのも、今度こそ!だった。2人はかつてできなかったことを、この映画ではやれていた。彼らにそのチャンスが与えられたこと、というよりそのチャンスを見ることが出来たファンは、本当に幸せだったと思う。

 

だからこそ、最後の選択は辛かった。トムホが皆から忘れ去られてしまったのが。ホームカミングを観た時に思った「恵まれていた」あの子はもういない。まだ子供だからこそ、こんな結果になってほしくはなかった。庇護されていて欲しかった。
観終わった頃には、「なんであの子にそんな酷いことするのよおおおお」とジョン・ワッツの首根っこを掴んで揺さぶりたい気持ちになっていた。
正直インフィニティ・ウォーとエンドゲームを経た後の続編『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を観た後には既に「すまんかった…」となっており、苦手だなという意識もだいぶ薄れていた。けれども、今作でここまでトムホスパイディのことも好きになれるなんて思ってもみなかった。
完全和解だ、と思った。彼のスパイディが主役の作品の続編が来たら、もっと大手を振って楽しみになった。ここで終わってしまうのもそれはそれでありだが、かけがえのないものをもらった。そういう意味でも、クリスマスプレゼントのような映画だった。

 

ぼんやりとしたまとめ

スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』はとてつもなく面白く、途方もないことをやってのけた。
えげつないファンムービーだ。こんな一見さんお断りの映画、正直他に思いつかない。『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』『アベンジャーズ/エンド・ゲーム』もなかなかだと思ったが、それすら上回ると思う。
そう考えると、たった一作でこのマルチバースを綺麗にやり遂げた『スパイダーマン:スパイダー・パース』がいかに凄かったかもよく分かる。これは予習も要らずスパイダーマンマルチバースが大いに楽しめる作品なので、もしまだ観ていない人がいたら今すぐ観てほしい。エレクトロが望んでいた、黒人のスパイダーマンにも会うことが出来るから。

 

微妙に成仏し損なった私

で、成仏出来なかった部分は既にTwitterのふせったーでも書き散らしていたことだが、それはデイン・デハーン、ひいてはアメスパ3のことである。
なんでデハーン出て来てくれなかったの!?
いやここで出したらグリーンゴブリン被りになるし、その点で言えばデフォーは最強最恐最凶で演技もプロットも素晴らしかったので蛇足になるのは分かっていたけれど!そして一方ジェームズ・フランコは今の状況考えたら絶対出せないからそういう意味でも無理があったんだけど!
でもさあ〜〜〜〜〜でもさあああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

せめてデフォーと「え、父親?」「いやこんな息子知らないぞ?」とか観たかったじゃ〜〜〜ん!!!
2回目観たらちょっと余裕が生まれてしまって、余計に思わざるをえなくなってしまって……くそー和む家族写真ばっかりインスタに投稿して!もっとください!
いや〜〜〜〜やっぱ観たかったな〜〜〜〜〜〜アメスパ3……………でも今から作りますって言われてもそれはそれで困るから、あの時に続編が欲しかったな〜〜〜〜〜〜〜〜〜
デハーン……デハーンよ…よよよ……

 

*1:ソニー・ピクチャーズの重役のメールが流出したことなど

軽やかな足取りで進め(2022年目標)

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今年の目標、去年より早くあげたいなと思いながらなかなかカチッと決まらず、気づけば殆ど変わらない状態になってしまった。
それでも去年よりちょっとずつ早くなっているので、良しとしましょう。
というわけで、今年の目標早速参ります。

 

月ごとに記録をつける

去年の「振り返りたい!」のアップデートバージョン。
正直去年と変わってないのだけれど、そのために具体的にどうするか?の部分が持続しなかったんですよ全体的に…というわけで、デジタルでもアナログでも何でもいいからとにかく記録をつける。で、できれば月ごとに振り返ったり半期や年間の準備を進めておく。
もうこうでもしないとえいやっ!とは出来ないのは分かっているから…去年はマジで映画見てなかったのもあるけど、ベストを出す気に全くなれず振り返る気力が失われていたんだよね…
振り返るには記録が必要なのだ。というわけで、月ごとにでもどこかにまとめておく。
それこそブログにまとめられたらいいけど、それはまあ高望み…

 

ブログを月2-5本更新する、年間25本以上書く

はい、これは去年達成出来なかったので持ち越し。
去年は4月の時点で力尽きちゃってたので、今年はもう少し長く出来たらいいな…
映画の感想をね、ブログでまとめたらそれで達成する筈なんだけどね。なんでかな?

 

睡眠時間7時間確保

去年もフワッとしたこと書いてたけど、毎日これを目指しましょうよ、という方が分かりやすい。まあ難しいけど目標は大事…
週に1度とかだと寝溜め生活になってしまうので、もう毎日出来るだけ確保、の方が圧倒的に体に良い。筈。

 

月に1冊は本を読む

仕事のためにつまみ読み、みたいなことが増えまくってひどくなってきているので、このままでは絶対に何も読まずに終わる…!という危機感があったので、もうこれを目標にする。年間12冊と思うとめっちゃ少ない。
出来たらブログに感想書くところまで辿り着きたいね。そうすると月に何本もブログ書くうちの一つになるからね。

筋力アップ

これも去年から言ってて、少し進歩したので、そのまま続けていきたい。
私の体組成計の標準値まで辿り着きたいんだよな…去年は若干増えたけどほぼ辿り着けずに終わったので…
今年はオンラインでの取り組みをしているので、これを継続することでなんとかなるだろうか。

 

TOEICの点数更新

英語の勉強をダラダラして、途中で一回やめたけどまた今ダラダラやっている状態だけど、もうちょい気合い入れてやりたい。
地味に毎年TOEIC受けてるので、感染状況見つつだけど去年より点数上げたい。就活することがあった時に活かせたらいいんだけどね。他にも海外の舞台を観るために戯曲を読めるようになるとか…話したりとか英語を使ってやりたいことは無限にあるので、何にせよ勉強しようね。

 

今年はこんな感じ。爪のケアを定期的に行うのは去年かなり成功したので、そのまま続けていきたいところ。
去年よりももう少し目標なので具体性を持たせた。達成したかどうかがわかりやすいので。
これもまた振り返りできるといいね。とりあえず今月はブログの本数だけは既に達成しているので、残り11ヶ月も頑張りたい。

 

 

 

久々に手帳を変えたので

今週のお題「手帳」

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毎年途中がスカスカになってしまうのだけれど、それでも手帳を書くのは好きだしやめたくない。
スケジュール管理というよりは、もっぱらライフログや日記のようになっているので、記録を振り返るためにつけている。
先の予定も書き込んでいる。でもこれは管理というよりは、楽しみな予定を手書きで書いて、期待を膨らませるのが楽しいという感じだ。実際は忘れっぽいのでGoogleカレンダーでアラームをいくつもセットしておく。
なのでいつかやりたいな…みたいなことを書き出しておいて、実際やった時に印をつけてみたり、好きなものを貼りつけたりするのが楽しい、という感じ。半分スクラップ、半分日記。私の手帳はこういう感じだ。

2022年の手帳

今年は久々に手帳を変えた。じゃん。

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裏には名入れがあるんだけど秘密。

色合いがかわいかろ。
SUNNY手帳はお友達が勧めていて知った。調べてみたら、今の自分にピッタリ合いそうだったので購入した。
基本的に、プライベートの手帳はデイリーに限る。何故なら私は舞台や映画のチケットを全て手帳に貼って残しておきたいタイプだから…!
最近の映画のチケット、レシートみたいな感熱紙になっている所が多くてがっかりする。
SUNNY手帳は日付が入っていなくて、1日1ページとして使える分量はあれど、どう使おうと自由だ。日によっては書けない日があるので、そんな時は飛ばしたっていい。せめて一行書いておきたいな…と思いつつ、既に遅れているので追いつきたい。

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割と気合い入れて書いている

日付の入れ方が日によって変えるのも楽しい。分量も日によりけりだ。長く書きたい日は1ページ以上書きたいなと思ったのもあってこれにした。映画を3本梯子すると、チケット貼るだけでも1ページ以上埋まってしまうので。まあ今年どれだけ映画館で映画を観れるのかは正直分からないが…Netflixだけ観てるのもそれはそれでありなんだけど。
ただ、この自由に日付書いていい方式は2016年に一度導入して、見事失敗している。
今年は上手くやっていきたいところ…!

あと、WISH LISTを書けるページが大きくあって、これも導入のきっかけになった。Bucket Listは以前からつけていたのだけれど、項目別に分けられるのが面白い。
他にも「行きたい場所マップ」やら「観たい映画リスト」など、とにかくリストアップできるのが良い。まあ、観たい映画リストは25本くらいしか書けなかったので到底私の見るペースでは間に合わないので、改造して「観た舞台リスト」にしてみた。おそらく年間で観ているのがこれくらいなので、ちょうど良いだろう。(これもどれくらい行けるのか、そもそも行こうと思う作品がどれだけあるのかは、かなり悩みどころではある)
モリモリ埋めていきたい。

2021年の手帳

2018年から21年まで4年間はずっとEDiTを使っていた。

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改めて見るとなんて可愛いんだろうなあ。表紙に名入れが出来ると知って、前に友達から教えてもらったラテン語の「CARPE DIEM(その日の花を摘め)」が入っている表紙も、小口が金に染まっているのも、赤いベルトも可愛い。実は2022年も全く同じものがあったのだけれど、変わり映えがなさすぎてやめてしまった。飽き性なのと、去年と全く一緒だと、自分も何も変わっていないのでは…?という気持ちになってしまいそうだったので、今年は変えてみた。
EDiT自体は人に薦められるくらいはお気に入りだ。そもそも名前がいい。「人生を編集する。」という意味が込められてつけられた商品名にグッとくる。そういう物語性を感じるとすぐにキュンときてしまう。
割と自由度の高い手帳なので、みっちり文章だけを書ける日もあれば、楽しく書く日もあった。

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2021年一番一番頑張った手帳のページ。映画のチケットが貼ってあり、感想もまとめてある。



敢えて言うなら、デイリーページに有名人の誕生日の記載があるのはいらないと思うので、その分書けるスペースを増やしてほしい。好きじゃない人の名前が印字されていると、ちょっとガッカリする…某手帳ほどスペース埋まるわけではないんだけど。
まあそう言いつつ、ダニエル・ラドクリフの名前があったのにはちょっとにんまりしちゃったよね。

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件のページ

楽しく手帳書き続けたいな。空いてもあんまり気にせず、好きに書き殴れば良い。

 

振り返っていることにする(2021年目標振り返り)

2022年と言われても正直信じたくない。
例年以上に年を越した感覚がないまま年が明けてしまった。三が日などとっくの昔、最早1月の2/3が終わっている。
しかし今年もなんとかやっていきましょうよ、ということでまずは去年の振り返りからスタートする。

振り返りたい!

結果…△

上半期はなんとか頑張ってやろうとしていた痕跡はあった。
上半期振り返りブログを書いていたしね。

 

ibara810.hatenablog.com

 

ただ、今年は映画観てる数がそもそも少ないからベストを出さず、そして12月から年末にかけてガッタンガッタンに忙しくて、振り返ってる余裕がなかった…
手帳も上半期は頑張ってたけど、後半になればなるほど書く量が減ってっちゃって、途中が空白なんだよな…
というわけで後半は力尽きたので、△とします。
体重計測は1年かけてずっとやってたのでOKとする。
あ、でもこんな振り返り記事をちゃんと書いてるのだから、限りなく◯に近いのでは?どう?

 

ブログを月2-5本更新する

結果…×

4月の時点で月に1本しか書けなかったので、全然駄目でしたね。
他にも9月と10月も1本しか書けなかった…年に25本、というのも達成出来ず。去年は全部で23本でした。
今年はもうちょっと書きたいね。
しかし今年初ブログが20日なので、なかなか達成できるかは怪しい。

 

最低週一回、ちゃんと寝る日を作る

結果…×

これも出来なかった。というかこれは「ちゃんと」という抽象的な言葉で書いている辺り、どう振り返ればいいのか、私の感覚頼りにしかならないのでそもそも定期的に振り返るのに向いていない。
寝てないよ!眠いよ!

 

爪のケアを定期的に行う

結果…◯

ちょっと11月辺りからささくれを剥いちゃう癖が再発していたけど、おおむね頑張っていたのではないか…と思う。
しかしちょうど今ネイルを何も塗ってないので素の爪の写真しかない。せめてネイルオイルとハンドクリームで保湿はした。笑

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筋力アップ

結果…◯

これは振り返ることが出来るんですよ!何故なら体組成計を買ったから…
2021年の1月は筋肉量が35.7kgだったんですけど、最近36kgを超えるようになってきてホッとしている。本当にちょっとずつで、三歩進んで二歩下がるような状態だけれども、ほんの少しだけアップ出来たと言ってもいいのではなかろうか。

 

とりあえず生き延びる

結果…◎

上半期に加えた目標。とりあえず生き延びたよ!

 

以上! 

計6つ、達成できたのは3つ、そこそこ頑張ったのが1つ、出来なかったのが2つ。
今年の目標はもう少しクリア出来るようになりたいね。

根源に立ち返る

ぽっぽアドベント2021主催のはとです。

長いようであっという間の12月、最終回の25日目。毎日もしくは一気に読んできたそこのあなた、これで最後なのでよかったら最後まで付き合ってください。

 

月日が流れるのは恐ろしいもので、アドベントカレンダーの企画は、今年で3年目である。

初めての年は2カレンダー50記事の内2記事を担当した。

adventar.org

adventar.org

次の年は3カレンダー75記事の内の1記事を書いた。

adventar.org

adventar.org

adventar.org

そして今年は1カレンダー25記事の内の1記事の担当である。

adventar.org

通算で、150記事読んで、4記事書いた。そしてようやく分かったことがある。

 

 

「私、書くより読む方が好きだわ」

 

 

元々この企画は、以前にも語ったがオタクの熱量高い話を読みたいと思って始めたものだ。

自分も書いてみたい気持ちも当然あったのだけれど、こんなに主催として幅を利かすのであれば、おそらく運営に徹した方がよっぽど楽だ。(そもそも、web上のアドベントカレンダー企画で、こんなに主催がでしゃばってる企画、そんなにないと思うので、そこは私の裁量の振り方の問題でもあるが……)

 

 

そもそも振り返ってみると、物心つく前から本や文字を読むのが好きだった。

幼稚園の時、ブランコに乗るために行列に並んでいる時間で本を読んでいた方がいいなと思って、実際その通りにしていた。

友達の家に行っても、本棚の前で座り込んで読み始めてしまい「せっかく来たんだから遊びなよ」と親に怒られていた。

小学生の頃も、友達と遊んでいるよりも本を読んでいる方が好きな子だった。もしかしたらこれを読んでいるあなたか、その周りにも、そんな子がいたかもしれない。

ある時教室の前のホールみたいな所で朝本読んでたらチャイムが鳴ってるの気づかず、読み終わって顔を上げたら授業が始まってから20分くらい経っていることに気づいて慌てて教室に飛び込んだこともあった。

毎日給食の時間になると、牛乳の成分表示を読んでいた。冬と夏では脂肪分の数値が変わることを知った。

中学の時は授業がつまらなくて、ずっと本を読んでいて先生に怒られ、それでも読むのをやめずに喧嘩したことがある。あの時読んでいたのはナルニア国物語の『銀のいす』だったと思う。

中学校まで歩いて30分弱かかるので、その間1人で下校する時は暇だと思って本を読みながら帰っていた。絶対車道ではやらないという制限付きで。

夜中まで『ダ・ヴィンチ・コード』を読んで「もう寝なさい」と怒られて、それでも続きが気になって、家の全員が寝静まってからバレないようにトイレに移動し、朝4時に読み終わるまで読んでいたこともある。

高校の進学先も立派な図書館があるから、という理由が大きかった。

本だけに飽き足らず、漫画も読んでいた。定期的な小遣いをもらっていなかったので、お年玉で買い込むか、友達に貸してもらうことが殆どだった。

以前にも書いたが、中学まではドラマも映画もほとんどアクセスができなかったため、娯楽が限られていたというのも大きかったと思う。

 

 

そんな学生時代を送っていたわけだが、では今はどうかと言われるとーー大方の予想通りであるが、これが恐ろしいまでに読んでいない。

私の本棚の半分がまだ読んでない本ではないだろうか。怖い。買うだけ買って満足してしまうこの頃である。一体何をやっているんだ。はい、映画や舞台を観て、ゲームの周回をしていました。娯楽に簡単にアクセスできるようになると、選びたい放題で困っちゃうね!

ただ、読めていない原因はそれだけではない。

 

本をーー特に物語をーー読み始めると、その間は人生のほとんど全てのことが後回しにしてしまう悪い癖が、未だに直っていないからである。

 

私には好きなことが沢山ある。でも、大抵のことは生活と折り合いをつけながら生きている。けれど本だけは例外だ。家で映画なら中断出来るのに、本だと出来ない。明日仕事があろうがなかろうが、ひとたび面白くなってしまうとやめられなくなってしまうのだ。理性が全く働かない。
食事も忘れる。お腹が空かなくなる。普段の様子を見ている人ならご存知かもしれないが、私は大変に食い意地が張っている。そして見かけたものはすぐに食べたくなってしまう。食のエッセイなどで美味しそうなものが出てくると、確かに食べたくなるしその時はお腹が空くのだが、それが止めるきっかけになってくれない。
体温調節も出来ない。気づいたら外の気温よりも寒くなった自室*1で本を抱えている羽目になり、足が痛くなって立てなくなるほど冷えてしまい、その後まともに歩けるまでに数十分を要する、みたいなことが度々発生する。
人の呼びかけにも気づかない。音が一切聞こえなくなるので、本を読んでいる自分と世界が切り離されてしまう。昔から母親に「何度も呼んだのに」とブチギレられているのだが、そもそも聞こえていないので呼ばれているという事実が私にはないので、どうしたらいいのか分からない。結果、肩を叩かれたり物理的な邪魔をされることで、ようやく本から顔をあげられる。
かろうじて行けるのはトイレくらいである。これも忘れるようになったら本当にやばいけれど、読んでる間は割とかなりギリギリまで我慢してしまう。多分映画観てる時より我慢している。
環境が変わっていることに対してそもそも気づかないか、気づいてもどうでも良くなってしまうのだ。電車の中で本を読んでいると、特に帰宅時は本が面白いから最寄りの駅に着いても電車を降りずに読み続けてしまうことがある。もしくは降りてもそのまま駅のベンチで読み続けて帰るまでに時間がめちゃくちゃかかる、みたいなことをやってしまう。
気づいたら、周りの人間に「本ばっかり読んで!」と怒られていた。たまに「お小遣いは少ない/ないけど、本だけは買ってよし」というご家庭を見かけるのだが(親御さん側としてそういう方針をとっている方と、子供だった時にそうしてもらっていたという方も、どちらのパターンも)、我が家でそれをやったら間違いなく破産するか、その前に本が家に溢れ返るかのどちらかになっていたと思う。

 

このように本を手に取ると大問題が発生しがちな私にとって、Twitterは素晴らしいツールだと言える。開けば手軽に文字を読める喜びと、一つが140文字で済むので中断がしやすい。けれどリンクを辿れば延々ともっと長い記事だって読めるし、それこそブログやらサイトやらネットサーフィンやら、果てしない海に繰り出そうと思えば繰り出せる。手に持っているのが本からスマートフォンになったことと、眼球の動きが上から下へよりも左から右への方が圧倒的に増えたことくらいしか変わっていないような気もするが、このバランスは結果的に良かったのかもしれない。まだ生活を投げ出さないくらいに私の理性が保ちつつ、文章を読みたい欲求も程よく解消されている。それでもタイムラインを延々と遡ってしまう時もあるし、生活を侵食しかねないこともあるので、今年はTwitterを意図的に見ない時間を少しだけ増やした。本当に微々たるものであるが……

 

それでもここ何年の中では、割と本を読んでいた年でもあった。

今年初の本は、はやみねかおる*2『めんどくさがりなきみのための文章教室』だった。これは名著なので読んでほしい。タイトルの通り、文章を書くのが苦手だったり面倒だったりするタイプの人への指南書である。

本で物語を読むというよりは、ハウツー本やエッセイを読むことの方が多くなっていた。

物語は映画やドラマで、本は情報を得るため、という区分けがなんとなくできてしまっていたのである。小学生の私が知ったら驚くだろう。

他にも『阿佐ヶ谷姉妹 のほほんふたり暮らし』やら『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』などのエッセイ、しかも女たちが一緒に住むばかり読んでいた。細かく章立てされているので、途中で止めやすいのだ。それにエッセイは、ネットで読める体験レポなどに近い。こういう話はスッと読めていい気持ちになれるので、気軽に手を出してちゃんと読み終わることが出来る。ちなみに『女ふたり、暮らしています。』はちょうど今家にあるので、これから読む予定である。

そうやって、本気でのめり込んで我を忘れそうな物語は巧妙に避けた読書をしていたのだが、私をティーンエイジャーに戻すのに十分な一冊に、今年は出合った。

 

 

それが『チャーメインと魔法の家:ハウルの動く城3』である。

 


知ってた? 『ハウルの動く城』シリーズが三部作だったこと。どのお話も主人公がハウルじゃないこと。

一作目の『魔法使いハウルと火の悪魔』がとても好きで、スタジオジブリが映画化した時は「こんなの全然違う!」とキレ散らかしていたのを覚えている。スタジオジブリの実写化において最も評判が悪いのはブッチギリで「ゲド戦記」だと思うが、当時の私にはハウルも殆ど同じくらい嫌いだった。今は緩和されているし映画版の良さもあるが、それでも映画ではなく小説の方を薦めたい作品である。

魔法使いハウルと火の悪魔』の主人公ソフィーは、三姉妹の長女である。同じく三姉妹の長女だった私は、この設定をいたく気に入っていた。単なる長女の話は別に少なくないが、「三姉妹の」とつく長女の話はそこまで多くはない。彼女の家庭環境は私と大いに異なっていたが、それが映画版だと様々な設定がなかったことにされており、ソフィーの妹も1人になってしまった。これが好きになれない理由の一つである。(あとマルクルを子供にしたのも結構怒っているしサリマンをヴィランにしたのもあまり好きではないし、何より自由を謳歌し始めるソフィーがほぼなくなってしまったのがとこの話を始めるとそれだけでひとつ記事を書けるので、この話は別の機会で)

そんな繰り返し読んでいた本の一つだが、続編の『アブダラと空飛ぶ絨毯』は全く好きになれずに、一度しか読んでいない。そこで私とこのシリーズのつながりは途切れていたのだが、たまたま図書館でばったり出会ったのがこの本である。そもそも3作目があることすら知らなかったので「まだこのシリーズ続いてたんだ!?」と驚いて借りたのだった。

 

『チャーメインと魔法の家』の主人公はやはり魔法使いハウルではなく、このタイトルになっているチャーメインという少女が、本が好きで本ばっかり読んでいて、全然家事や他のことをやらない、という子だった。3ページくらい読んで確信した。

 

この子、私と、めっちゃ似てる。

 

身だしなみにもあまり気を使わず、本を読んでいれば幸せ、でも美味しいものを食べるのは好き、気が強くて好きなもののためなら行動力を発揮する、などなど読めば読むほど、感情移入してしまった。こういう感覚になるのは久しぶりだった。ページを捲る手が止まらなかった。

話自体は大分説教くさい部分もあるのだが、舞台である家自体が未知の世界になっており、見知らぬ生き物が登場し、とんでもない冒険に巻き込まれたり自分から突っ込んでいくのを、一緒に楽しんだ。うんざりしながらも「やったらあ」みたいな心構えで進んでいくチャーメインが久しぶりにメキメキとのめり込み、あっという間に読んでしまった。かつて親しんだ懐かしい人たちにも再会したのも、とても嬉しかった。元気だったかい、君達。これがシリーズものの醍醐味の一つだ。

読み終わって思った。ああ、こんなに楽しかったんだ。本を、物語を読むことが。

 

そして私は今年めちゃくちゃ本を読むように……なったのならば綺麗に話がまとまったのだが、残念ながらそうはならなかった。私の本を手に取るペースは相変わらずのんびりしていたし、小説でもせめて短編集からとリハビリのような感じで恐る恐る手に取るくらいだった。

漫画もめっきり読む数が減っていたのだけれど、今年はDMM70%OFFセールによって『琥珀の夢で酔いましょう』『大奥』『東京リベンジャーズ』などを一気読みしていた。あと、各出版社が期間限定で無料公開しているのにあやかって、途中まで読んでいた『桜蘭高校ホスト部』を完走し、触れないまま生きてきた『HELLSING』を一気に読んだ。ちなみにヘルシングは最後の最後で期限に間に合わず、10巻だけ買って読んだ。

漫画は電子書籍の方が圧倒的に手に取るまでが早い。kindlehontoDMMの間を、クーポンの出ている方向に反復横跳びしながら色んな漫画に手を出している。

 

と、ここまで書いていて気づいたのだが、基本的に私「ビンジウォッチ」もとい「ビンジリード(一気読み)」しかできないんじゃないか!?!?

漫画を週刊連載で追えずに、コミックスで(出来れば完結していると良い)読んでいるのにも納得がいく。

ドラマも基本的にビンジウォッチしてばかりである。さらに言ってしまえば、書くのも毎日コツコツというのが出来ずに(それでも今年は割と書いてた方なんだ、本当なんだ信じてくれ)、現在ビンジライトしている……

 

こういう性分なのだな、というのが分かったところで、テーマに立ち返ろう。

 

私の望みの歓びよ。

それは、全てを忘れて本を読みたい。

 

はっきり言って仕事をしている時は無理で、そして体調が悪すぎても出来ないので、難しかったのだな、という気がする。

なので残り少ない今年は、普段より出来るだけ環境を整えて、全て忘れてもいい状態で、思う存分本を読もうと思う。積読山脈を切り崩し、消化に励むとか、読書筋を取り戻そう……とかそんなことは考えず、ただ面白いであろうものに向き合うのみだ。映画も舞台も友達と遊ぶのも今は全部大好きだし、できればそれらも削りたくない。でもちょっとだけ、私が一番最初に好きになったもの、本に浸れる時間を増やそう。幸いにして、本は沢山あるし、ものすごく分厚い数万円の本*3もあるし……今年はそうして締めくくりたい。

なのでそろそろこのアドベントもおしまいだ。アドベントの記事を読む幸せも、自分が書く苦しみも、もう存分に味わった。
なので筆を置いて、自分の楽しみに浸ろうと思う。

皆も思い思いに、あなたの望みの歓びに浸れるような、そんな日であってほしい。

 

できれば子どもの頃から本に出合うきっかけがあってほしい、と思って今年はブックサンタにも参加した。

ibara810.hatenablog.com

そう、この話につなげるための布石の記事だった。ブックサンタをずっとやりたかったのは本当。

 

去年はフリートで告知をしまくっていたが、今年はTwitterにはフリートがなくなり、代わりにスペースが出来ていた。

なので12/30の夜辺りに今年のぽっぽアドベントを振り返ろうスペースでもやろうと思います。告知はまた改めて。

 

それでは、ハッピーホリデー!

 

 

 

 

 

P.S.

最後に聞きたいのだが、世の読書家の皆様は、どうやって本と世界の折り合いをつけているのだろうか。なんで途中でやめられるの? もしコツがあるなら、是非ご教授ください。

*1:家の構造上なのか何なのか、マジで馬鹿みたいに寒くなってしまう。関東基準ですが

*2:大人気の児童文学作家。来年は彼の著作『怪盗クイーン』シリーズがアニメ映画化するのでよろしくお願いします。ジョーカーの声優が加藤和樹なんだよ!

*3:詳注版『カラマーゾフの兄弟