熱に羽化されて

好きすぎてこじらせたうわ言や思考の整理など

「なんとかなる」では終われない(私と英語)

気づいたら傍にいた。
けれど、今のところ仲良くなれていない。


これが今の私と英語の距離感だ。
先月推しの舞台を観に海外旅行に出かけたが、内容をすべて理解している…とはとてもじゃないが言えない。日本語で書かれた戯曲を予習として読み、後は微かな英語を勉強した遺産をフル起動させて、今がどのシーンで何の台詞か推測して観ているだけだ。
それって勿体ないのでは、と言われればぐうの音も出ない。
そもそもしょっちゅう海外に行っていると思われているが、実際はそんなことないし、そして簡単な会話も正直ままならない。
それでも「なんとかなる」で今まで生きてきてしまった。


このなんとかなる、は私と英語の長きに渡る触れ合いの中で生まれてしまったものだ。
振り返ってみると、英会話教室はいくつか通っていたが、どれも違うスタイルだった。

一番最初は友達の家に来たネイティブの先生と遊んでいたことで、授業のようなことはしていなかった。
親たちが英会話教室を自主的に開いていて、子どもたちはそのついでだったようだ。
その先生が引っ越すだかで来なくなってしまった。
しかし折角英語に触れたのだから、と家から遠いフィジー人の先生が開く英会話教室に通い始めた。
小学生になるかならないかで、この頃も何をしていたかあまり覚えていない。挨拶、挨拶、挨拶くらい。
あっ急に思い出したんだがI'm fineって毎週言ってたけど他のレパートリーなんざろくに習わなかったぞ。I'm fine or tiredの二択だった。

この時、教室の中では本名ではなくてEnglish Nameで名乗り、その名前で呼ばれていた。恐らくキャサリンだったと思う。あまり好きじゃなかったが、SIX THE MUSICALを体験した今、とても好きな名前になった*1。約20年越しの和解である。


引っ越してからはYMCAに通い始めた。ネイティブの先生と日本人の先生の二人から習うようになっていたけれど、これがあんまりよくなかったと思う。特にネイティブの先生が行う授業でだ。
当然ながら、授業に日本語は使わない。何人かの子たちと一緒に受けていたけれど、私はとっくに理解していることを何度も何度も繰り返しているので暇だなあと思ってばかりだった。
中には返事に詰まったり何も喋らない子がいる。答えるまでに物凄くヒントをもらい、ほぼ先生が答えになるような例文を言うとそれをやっと復唱するレベルの子が一緒にいた。その時間や沈黙が嫌いで仕方なかった。逆の立場になることを考えてない子供の残酷さである。
そういう子もまた親に通わされているだけだったりするので、どんどん英語が嫌いになるだけだろうなと思っていた。

また、小学生の時点で英語しか通じない環境に身を突っ込まれた結果「辞書とボディランゲージがあれば生きていける」という間違った悟りを開いてしまった。今だから言えるが、それは悟りではない。


そんな訳で中学生の時には他の子とのレベルが顕著だったので、あまりにも身に着けられることがなさすぎて、初めてやめたいと言った。その主張は受け入れられた。YMCA側が中学生レベルの授業に対応できていないのもあった。
ただ、辞めるまでの投資のお陰で、中学校まで英語は得意だった。何もしなくても中二くらいまでは余裕でテストで高得点が取れた。
しかも、中2で受験の内申に有利になるからと英検準2級を受けたら受かってしまった。
いやー英語できちゃうなーって思ってた。
受験前には詰め込みで英語や他の教科を勉強して、希望の高校に受かった。


しかし、高校に入ってからは下落の一途を辿る。中学の遺産だけでやっていける筈もなかったり授業は全然分からなくなり、成績は落ちに落ち、英語に触れる機会は激減した。
なんとか大学は受かったものの、必修の英語があまりに緩くて参加者も少なく、私はその中でも受けている方ではあったが、殆ど出席で点数を稼いでいたようなものだった。


大学に入ってから行動範囲がぐんと広がり、それに伴って映画、特に洋画を観るようになった。
しかしここで英語もう少し勉強しよう!となれば良かったけれど、そうはならなかった。
映画や配信を沢山観ても、新しく覚える単語といえば、日常で使いこなせないような固有名詞か、スラングか、ドラァグクイーン用語のどれかだった。(Tesseract*2なんてアベンジャーズの話以外でいつ使うタイミングあります?)
ぼんやり単語は聞き取れる。が、具体的に何言ってるかは正確には分からない。
その結果、映像と聞き取れた単語で推測するのだけは異常に得意になってしまった。
そして今に至る。


いや、至る前に何度も勉強しようと取り組んだことはあった。
受験勉強の時に使ったDUO3.0を一周してみようとか(こういう単語帳を一周出来たことがない)、English Grammar in Useを買ってみたりとか(ほぼ開いてませんね?)、友達と短い記事を精読し合おうとか(これはいつか復活させたいと思ってるんだけれど、教授陣の負担が大きいのでなんとかしたいところである)……しかしどれも長続きしなかった。
数年に一回行くか行かないかの旅行のためだけには勉強出来ない。出来なかった。


いや、しかし、いい加減にそろそろ、この状況を脱したい。
海外にちょっと旅行した先でなんとかなっているのは、相手の優しさと汲み取る力の高さに頼っているだけだ。
それは相手に迷惑をかけているし、自分の中に感じるもどかしさはこのままだと一生消えない。
言葉が詰まって何も出てこなくなる瞬間や、言いたいことはあってもうまく伝えられない気持ちの悪さは何度も体験している。
これは何か優しくされて嬉しかった、みたいなことから今の現状に怒っていること、自分が置かれている状況を説明出来るかどうかみたいなことまで多岐に渡る。
この気持ち悪さを解消する機会はいくらでもあったが、
もう少しだけ相手に伝えられることを増やしたい。
また、今の状況で情報へのアクセス出来る道具は多い方がいいと、毎日思い知らされている。
それは英語に限らず他の言語でもそうなのだが、私に一番近いのは英語だ。
好きな英語作品は数えきれないし、一番好きな俳優は英語を話す人だ。


ibara810.hatenablog.com


なのでこの記事を持って、英語にもっと取り組み、触れることを宣言します。
すぐ投げ出す性格なのはよーーーく分かっているので、記事にして上げることで後に引けない状況を作ってみる。
書いたこと、たまに反応をもらえるのだけど、「あれどうしたの?」と聞かれた時にまた止まっちゃって…と言わないように、努力していきたいと思います。
好きな人と滞りなく話したいし、目の前の相手が何を言ってるのか聞き取りたいし、突如として配信された海外の舞台を楽しく観たいし、刻々と変わっていく世界の情報をかき集めたいし、旅先で会った人と世間話がしたい!


なんだ、ちょっとこんなにやりたいことが沢山思いつくじゃん。
やらない選択肢なんてもうない!
なんとかなるだけはやめる!

と、自分を鼓舞して終わります。


とりあえず取り組みの一環としてトーキングマラソンもお試しで始めたので、こちらの使用感なども記事に出来たらいいな。



と、いう記事を書いてたら結構そんなこと言ってる場合ではない状況になってしまいました……
新型コロナウイルスに感染してしまった方々、また、これの影響を被った全ての方々へお見舞い申し上げます。私も影響を被った一人です。
この状況が早く落ち着くことを心から願っています。
というか、まじで、どうにかなってくれ……皆、まずは予防として手を洗おう。

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大好きなロンドンの劇場、The Old Vic theatre.
ロンドンで一番最初に閉鎖してしまった。公演中だったのに。
絶対また来るからね。


アルク #トーキングマラソン 特別お題キャンペーン「わたしと英語」

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by アルク「トーキングマラソン」

*1:SIXには6人の王妃が登場するが、半分はキャサリンである。綴りはちょっと違う

*2:正八胞体。MCUシリーズで出てくる重要アイテムの名前です