熱に羽化されて

好きすぎてこじらせたうわ言や思考の整理など

ハッピーマンゴー

友人がこんな記事を書いていた。

sasanopan.hatenablog.com


桃の香りを嗅いで、食べたくなるいい記事だった。桃のあの丸いフォルムが恋しくなる。相葉雅紀が幼少期に頬擦りしたくなる気持ちも分かる*1
果物全般が好きだ。食べることが好きな私の、大きな部分を占めている。フルーツ味のお菓子やアイスも好きだが、やっぱり生で食べるのがいい。夏から秋にかけては果物が豊富なので、それだけで嬉しくなる。特に今、私を幸せにしているくだものについて書きたい。


先日コストコでマンゴーを買った。8個入りで1000円ちょっと。近所のスーパーでは考えられないほどの破格である。
普段、マンゴーは身近に買って食べない。マンゴー味のアイスとかパフェは見かけたら頼みがちだけど、果物そのものを買って食べる機会はなかった。予算から大幅にはみ出る。それでも今年は、半額で叩き売られていたタイマンゴを買ってそれで満足していたのだけれども、これは幸せをそのまま購入したようなものだった。

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大振りの、既に熟れている実は片手で持つとずっしりと重たい。買った時はもう少し緑を帯びていたのが今は追熟して赤みが増している。マンゴーには太陽のタマゴと言う種類のものがあるが、これは何かはよく知らない。知っているのは、メキシコの太陽を浴びていたことだけだ。

マンゴーを剥く時は、真ん中の種を見越して三つに分ける。ちょうど魚を三枚おろしにするのと似ていると思う。種が含まれてない両端は、そのまま皮を剥いて適当な大きさに切って家族に振る舞う。
そして、この真ん中の部分こそ、剥いている人の特権である。適当な端から皮を千切って、種の周りの果肉にかぶりつき、これでもかと言うくらいにしゃぶり尽くす。切れ目を入れた瞬間から溢れている果汁が、持ち上げて齧りつくたびに指から零れ、手のひらを通り越して肘まで伝ってびどびどになる。ああ勿体ない、の気持ちが勝つと、行儀悪く腕を舐めたりする。かじっていく内に、果肉が減って繊維ばかりになっても、歯で何度も噛んでは吸い尽くす。マンゴーは、こんなに意地汚く食べてしまうほどの魅力を秘めている。単に私の食い意地が張っているだけの可能性はちょっと置いておく。


マンゴーは不思議な果物だ。みずみずしくて、切っただけでも止めどなく果汁が流れていくのに、果肉は全く水っぽくない。むしろ水を飲みたくなるような甘さが先に来る。濃厚で滑らかな舌触りだが、一瞬の内にいなくなってしまう。例えば桃ならもう少しみずみずしさが勝って、しかししっかり甘みも感じられるが、水分が欲しいとまでは思わない。けれど、バナナみたいに水分が全然感じられないようなタイプの果物でもない。ねっとりとした甘みとジューシーさを兼ね備えた、希有な食べ物である。


果物には様々に加工した食べ方があり、マンゴーも例に漏れないが、どうしても生でそのまま食べるのが好きだ。これはマンゴーに限らない。
果物のジュースも好きだ。特に濃縮還元ではなくストレートの100%果汁のジュースは最高だ。マンゴージュースも好きだが、ジュースならグァバの方が好きだ。
白ワインに漬けてマンゴーサングリアにすれば良かったと後から気づいたが、気づいたら漬けるほどの量はもう残っていなかった。ああ、至福の時は終わりが近い。


そんな私の先日のおやつがこちら。

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桃、嬉しいね。

*1:相葉マナブにて、幼少期に桃があまりに可愛くて頬擦りして痛めたエピソードを先日話していた