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熱に羽化されて

はとです。好きすぎてこじらせたうわ言です

直球で美麗なスパイたち、あるいは監督たち(『コードネームU.N.C.L.E.』感想※ネタバレあり)

映画

はじめましてもそうでない方もこんにちは。はとです。
映画が好きで、何か昂ぶったりTwitterでまとめきれない時にここを使おうと思いました。
やおい好きなのでそういう話も出ますしそうでない話もします。
多分更新は稀だと思いますが、よろしくお願いします。


というわけで、『コードネームU.N.C.L.E.』についてです。
ワーナー試写室にて試写会に誘っていただき、原稿の合間に観てきました。
ガイ・リッチー監督でまたバディもの!しかも原作があの有名ドラマ!
というわけでずっと楽しみにして期待値ガンガンにあげていました。
既にもう記憶がうろおぼえという体たらくですが、お付き合い下さい。
以下ネタバレをしています。

 

 

 『コードネームU.N.C.L.E.』

 f:id:ibara810:20151101231545j:plain

(本国版はこのポスターが黄色なのですが、日本版の赤で正解!と思いました)


あらすじ
東西冷戦時代、画期的な核技術を開発した博士が失踪する。
彼の行方を追い、世界の危機を妨げるため、アメリカのCIAとロシアのKGB、それぞれ凄腕のエージェント二人が手を組んで阻止しようとする。

 

かんそう
まさにガイ・リッチー!と叫びたくなるようなバディムービーでした。
WBのロゴが出る瞬間からおしゃれ!日本版のポスターが赤なのは正解!と叫びたくなりました。
シリアスとコミカルの配分がバランスよく、軽い気持ちで楽しめるいい作品です。
特に主役のヘンリー・カヴィルが物凄くハマり役でした。パーフェクト・ソロ!
美しくてスマートでそれでいてチャーミング、彫刻のような美しさと相まって華麗で良かった。
対するイリヤはドラマとはかなり違ってガチムチ大男にされており、肉体担当になっております。
こちらを演じるアーミー・ハマーも大変かわいかったです。声が美しい!
この二人が考え方から行動から何から何まで正反対で、だからこそ生み出されるすれ違いやコンビネーションやカバーがたまりませんでした。明らかに二人の関係を揶揄するような台詞まで出てきてひっくり返った。
また、ヒュー・グラントのキャラクターもたまりません。彼、もっとこういう役をしてほしい。

そして特筆すべきは敵キャラであるエリザベス・デビッキ様!様をつけたくなる!
美しくて賢くてとんでもない悪女で最高でした。
こういう悪役のボス、待ってた! と叫びたくなった。
2015年は男性ヒロインが登場した作品が多かったけれど、女性ヴィランが少なかった気がするので(キングスマンのガゼルは最高でしたが)(あっ、『ミニオンズ』のスカーレット・オーバーキルがいました。彼女も素晴らしい)
この映画も最近のハリウッドの系統に漏れず、ヒロインのアリシア・ヴィキャンデルなど女性の描き方がきちんとしています。それが押し付けがましくなくてサラリとやっているのがガイ・リッチーならではという気がします。
音楽も撮影もキメキメで格好良くて、役者たち自体も身にまとっている衣裳も素晴らしい!
60年代の雰囲気とスパイたちの暗躍っぷりが相まって溜め息が出るほどおしゃれでした。
本当にいいもの観たなーという感じです。


ここからがちょっと考えてしまった所なのですが。


公開前から、一部で「この映画はガイ・リッチーからマシュー・ヴォーンへのアンサーソングではないか?」と囁かれていた本作ですが、観てみたらアンサーソングどころの話ではありませんでした。
メインキャラクターの一人、イリヤ・クリヤキンがマシュー・ヴォーンの監督した『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(以下XFC)に登場するエリック・レーンシャー/マグニートー(マイケル・ファスベンダー)に雰囲気や服装が酷似している、という話が囁かれていました。まあ確かに似ているけれどまあ映画はどうなっているか分からない…と思っていたら、XFCを髣髴とさせるシーンの連続。
特にイリヤが敵に追われて水の中に沈んでいくのをソロに助けられる、というシーン。これ撮り方から何からまんまエリックとチャールズでした。このシーンが衝撃的すぎてその後しばらく集中できなかった…

なんというかガイ・リッチー、直球すぎる。

しかもこのシーンではないかもしれないけれど、U.N.C.L.E.の隣のスタジオでキングスマンを撮っていた、という逸話を思い出してまた震え上がりました。友人が新作撮ってる隣でその友人の別の作品の二次創作を撮ってるって何考えてるんだ。


ここまで来るとアンサーソングと言うよりは、最早ガイ・リッチーXFCなのではないかというくらいでした…よくこれにOK出したなワーナー
相違点は、この作品の二人は仲違いをしないで話は続いていく。
マシュー・ヴォーンはもう少しオブラートに包んでいたぞと言いたくなりました。
(彼がキングスマンでまるで『裏切りのサーカス』のオマージュなのでは?と言いたくなるような関係性を描いていたのですが、それはこちらが深読みをしているレベルに過ぎない、と言えば過ぎない)(でも明らかに意識してるよね)


なのでそう言った意味でもこの映画はとてもおもしろいのです。かつては一緒に仕事をしていた二人が決別してから、お互いのことを意識したような作品を撮り続けている中、この作品はまさに集大成という感じがしました。
二人の監督が再び一緒をする日がくるのでしょうか。是非お願いしたいところです。
私的にはキングスマンとコードネームU.N.C.L.E.の二作を、監督を入れ替えて製作してもらいたい。


ただ一方で、これは『0011 ナポレオン・ソロ』のリメイクではなかったのか? という疑問が消えないままでいます。
ドラマ版を全部観ているわけではないけれど、観ている範囲では、明らかにこれは別物だな…と。
別物、という意味ではガイ・リッチーシャーロック・ホームズも割と型破りと言われているけれど、これはオマージュになっている作品はあまりない気がします。対して今回のU.N.C.L.E.は、リメイク元の作品よりも別の作品の色がはっきりと見えてしまう。冗談でも贔屓目でもなく、あまりにもXFCのオマージュに溢れてたんですよね。
これ、原作ファンにどこまで受け入れられるかな、とちょっと考えてしまった。

 

素敵で面白かったけれど、ちょっとガイ・リッチー版のXFCを観たような気分になったので、次回作でまた活躍するU.N.C.L.E.の二人が観たいです。新生U.N.C.L.E.の二人も、魅力たっぷりだったので。(本当はもうちょっとイリヤ側も深彫ってほしかった…)
続編待ってるよ!(勿論監督はガイ・リッチーでね!)


(ただこの作品、現時点で制作費を回収できてないそうなので、結構絶望しています…皆観に行こうね…)