今日は年末というよりも年度末に、しかも夜よりは昼に聴くのがおすすめな曲を紹介する。
Center Of The Earth
9thアルバム『CENTER OF THE THE EARTH』の表題曲であり、最後に収録されている曲だ。アルバムタイトルは全て大文字だが、この曲はイニシャルのみ大文字である。
このアルバムは私が一時期全然新曲を聴けなくなってからしばらく経ち、出戻りしてから最初のアルバムなので思い入れが深い。このアルバムのツアーは久々に参加していた。
フラッドにしては珍しく、6分越えの大作である。作りとしてはオーソドックスで、AメロBメロサビとくる構成で、それが逆に新鮮さを感じる。
初めてこの曲を聴いた時、私は物凄く感動した。フラッドの曲って基本的に、「俺の歌」「俺たちの歌」「俺たちとあんたたちの歌」みたいな感じのイメージがあった。別にそれで問題ないし、なんならそこが好きだった。世界との付き合い方や構造への批判を歌う社会的な一面もありつつ、演奏してる俺たち/聴いてくれるあんたたち、に向けて歌っているなと感じており、それをずっと受け取っていると思っていた。
しかしこの曲、聴いて思った。
「卒業式ソング」だ!
卒業式の日に、学生時代の振り返りを歌っているように感じた。初っ端から最後まで、思い出を慈しみながらも次の一歩を踏み出すためのパワーをくれる歌だった。
その背中を押してくれる力と、卒業式っぽいフレーズが満載な歌詞を見てほしい。
3月の風を全身で受けて
桜の花みたいに舞い上がれ
あんなに悲しい日さえも
頬張ってたね 青い春を
恥かいて ミスって チョロまかして
あくびして どれもが大事だったよ
サンキューベイビー
本当におめでとう 大好きだよ
サンキューベイビー
泣けるほど笑える日々を
サンキューベイビー
めちゃくちゃ卒業式っぽく聞こえない?私が権力者なら全国の高校とか中学校で卒業式の日に放送室からこの曲を流すようにしたと思う。
卒業式に参加している年齢はとっくに通り越した大人が、若い世代のために餞として歌ってくれたことが、とても嬉しかったのだ。同じアルバムに入っている「YOUTH」という歌にも同じように思った。珍しく、真っ直ぐにサビで「頑張れ」と繰り返している曲だ。
ここまで真っ直ぐな応援歌、ちょっと聞くと恥ずかしいくらいなのだが、タイトルが「YOUTH」なので納得してしまう。若さを歌うようになった彼らは、ずっと進み続けてとっくに大人になっているんだなあと感慨深くなる。
「Center Of The Earth」に話を戻す。
この曲、サビも大好きで、歌ってくれる度に救われたような気持ちになる。
サンキューベイビー
最後まで笑ってくれ
まともじゃなくても大好きだよ
この3行目、ずっと大事に抱えてる。
フラッドはやっぱりはみ出し者に優しい。
どんな後悔をしても
君がいれば爆笑だぜ
忘れないで
世界の真ん中はいつも君だってこと
これもとても優しい。そして、私はこの歌を、昨日紹介した『世界は君のもの』と兄弟的な位置付けの曲だなと思っている。曲調の明るさもそうだし、似たようで異なることを歌っているけれど、歌われている「君」への愛情は同じように通じる。異なっているのは、昔は世界がメインだったけど、今は「君」がメインだということ。
また、『世界は君のもの』では、どちらかというと同じ学校にいたような気がするのだけれど、『Center Of The Earth』では、卒業した先輩が歌ってくれている感じがする。どういうこと?と思われるかもしれないけれど、そんな感じがするんだよ。聴き比べてみてね。
ところで、さっき貼ったMVはご覧になった?なんか見たことある人いなかった?そう、今をときめく河合優実が出演しているのである。おそらくデビュー作なんだよこれ。すごい青田買い!って叫んでしまった。しかし私はまだ『ナミビアの砂漠』も『あんのこと』も観てないの信じられない。今年中に観られるのだろうか。