熱に羽化されて

好きすぎてこじらせたうわ言や思考の整理など

2023年10月NTL上映館と変遷、希望について

※この記事は2018年に書いたものの最新情報になります。こちらを読んでない人は、先に下記の記事を読んでください。逆にここから飛んで来た方はスクロールしてください。

 

ibara810.hatenablog.com

 

2023年現在、『善き人』の上映館は下記になります。


◆10/20(金)〜

TOHOシネマズ日本橋(東京)

シネ・リーブル池袋(東京)

TOHOシネマズららぽーと横浜(神奈川)

TOHOシネマズ赤池(愛知)

大阪ステーションシティシネマ(大阪)

福岡中洲大洋


◆10/27(金)〜

シネ・リーブル神戸(兵庫)

アップリンク京都(京都)

 

◆近くでNTLが上映していない!という方へ

毎回上映しているわけではないのですが、人気などによっては作品をかけてくれる映画館もあります。近年では

札幌シネマフロンティア(北海道)

豊岡劇場(兵庫)

吉祥寺オデヲン(東京)

などの映画館が、すべてではありませんが、NTL作品を上映しています。人気作品だとかけてくれるかも…。

また、最近オープンしたばかりの扇町キネマ(大阪)は、NTLの他作品(『かもめ』、『リア王』、『ハムレット』、『るつぼ』、『フランケンシュタイン』など)を上映しているので、これらの評判が良ければ『善き人』を始め他の作品をかけてくれるかも…。

夏と冬は東京や兵庫などでアンコール上映をやることもあるので、チェックしてみてください。

近くの地方でやってないよ!という方も多いと思います。お近くの映画館に問い合わせをするなどしていただければと思います。

 

NTLは、日本に上陸してから今年で10年になります。

当初はもう少し多くの劇場で上映されていました。ただ、当初より収益が見込めないと判断されたのか(例えば東京ではTOHOシネマズ六本木でも上映していました)、上映館数がかなり減っていたことも……逆に、当初は上映していなかった映画館が、NTLの作品を毎回かけてくれるようになった事例もあります。

最初に公開された場所で盛り上がって、口コミが広がって人気が出れば、多くの場所で上映される=観れる確率が上がっていくなと感じています。

私は都内近郊に出かけられる場所にいるため、NTLは通いやすい方です。いつ推しが舞台に立つか分からない上に、NTLに入るかも不明ですが、観たい!と思った舞台が観られる確率をちょっとでもあげようと通っています。できるだけ毎回どんな演目でも行くようにしています。日本中でもっと洋画もそうだけどNTLのような特集上映も気軽に見れたらいいと思ってるよ!

そもそも、わざわざ海越えて来るんだもの、大体面白いかめっちゃ面白いです。(自分と合わないことはあるけどね)

普通の洋画よりは観れる環境がかなりシビアなため、ファンが増えて広まってくれたらいいな…!と思っています。

NTL、気に入ったら他の作品もよろしくお願いします。

11月は東京の青山で無料のトークイベントするそうです。10年振り返りやるって。

www.ntlive.jp

 

NTLでなんかあると「観に行こうぜ!」と軽率に騒ぐはとでした。

『リーマン・トリロジー』という作品がトニー賞獲った時に再上映があった時に騒いでいる様子です↓

 

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lyrical school「NEW WORLD e.p.」全曲ふんわりレビュー

CDが出た!

今年の2月から8人組の男女混合新体制になったヒップホップアイドルユニット「lyrical school*1」にクラッシュして約5ヶ月。
ようやく物理CDが出た……!
配信はたくさんやってくれてたんだけどね、音源になってない新曲を聴けるようになって嬉しい!
歌詞が公開されていない曲も分かったどころか、歌割が細かく記載されていて、嬉しすぎるので全曲レビューというほどでもない感想を書き記しておきます。
ただし、私に音楽的素養はゼロだ!
なので、楽曲のイメージをふんわり語っているだけです。
リリスクの曲、特に今回のe.p.は、エモとチルと自由をラップで編み込んで広げてくみたいなイメージで、かつずっと楽しみの予感がしている感じなんだけど、それがとても心地よい。
曲自体は全て各配信サイトで聴けるので、ぜひぜひ聞きながら読んでもらえると嬉しい。

New World e.p.

New World e.p.

music.apple.com

open.spotify.com


House Party

サビのメインを女性メンバーが歌って、他のパートは男性メンバーがそれぞれソロで歌ってる構成。作詞はBBY NABE、作曲・編曲はR.I.K.。
一曲目からごきげんに始まる曲なんだけど、サビの歌詞にある通り「これから何か/始まる気がするこの空気感」で満ち満ちている。雰囲気づくりがとても上手。それこそ家でパーティする人はこの曲かけると一気にムードが作られるような感じ。(ホームパーティはタコパしかやったことない私のような人にはちょっとパーティーを開くハードルが高いですが……)
聞いてるとアメリカの映画でよくあるホームパーティーのシーンが浮かんでくる。というか本当そういう映画のそういうシーンでかかってそうな曲だよ!
でもこの曲、学生が親のいない間にはしゃいで皆招いてバカやってるタイプのパーティーではないのがミソだと思う。とにかくチルい。パーティーやり慣れちゃってる人たちの曲なんだよな。歌詞もずっとパーティーにワクワクして楽しんでるだけだから…笑 
お陰で、ライブで聴くと本当にパーティーに招いてもらったような気がして嬉しい。
「小学生の遠足前の夜」という歌詞を、メンバー一ヤンチャ坊主なtmrw(トモロー)が歌ってるのににっこりしてしまう。

 

DRIVE ME CRAZY

今回のe.p.で一、二を争うほど好きな曲。
一曲目がチルで攻めるならこちらはエモに全振り。
疾走感溢れるイントロからずっと爆走してアクセル全開!のまま突き抜けて行ってしまう。ちょっとシティポップというか懐かしい感じがする曲。作詞はJunya Okubo(アナ)、作曲・編曲はShuhei Ueda。
音源ではminan(ミナン)、tmrw(トモロー)、malik(マリク)、sayo(サヨ)、mana(マナ)の5人だけが参加しており、サビをtmrwがメインで歌い上げている、ちょっぴり珍しい構成の曲でもある。(もしかしたら、これからどんどん発表される曲によっては全然めずらしいことではなくなるかもしれない)
ライブでは全員で歌ってる。
夜のドライブにぴったりなので、ぜひぜひ車を走らせてほしい。私は免許を持っていないので……誰か代わりにひとっ走り行ってきて……
ライブで盛り上がれるパートもあり、音楽にただ身を任せて揺れていたいパートもあり、ストーリー性のある曲なので、物語を繰り返し聴くように聴いてしまう。
manaちゃんの「点滅するシグナルはスルー」の点滅する?って上がる歌い方が好き。メロディーにハマらない自由さがある。
あと、ラスト付近のminanちゃんの「トンネル抜けて降り注ぐ光」ってフレーズ、minanちゃんの声がそのまま一筋の光が差し込むみたいに聞こえてきてすごく綺麗。
細かいとこだと、最イントロで聞こえる最初の裏拍2つがめちゃくちゃ好き。聴いたら分かる。
来月、メンバーのmalikが監督を務めたMVが公開されるとのことなので、楽しみ!アニメらしいよ。


mada mada da!

歌詞をchelmicoのRachel、楽曲をRyo Takahashiが手掛けた曲。つまりはchelmico成分が全開な曲。Rachelは以前からリリスクに楽曲提供をしているんだけど、新体制でもまたバッチリなパーティーチューンをプレゼントしてくれたよね……最高だよRachel……

リリスクには夏の曲が多いのだけれど、これもまた夏の曲。夏が来る直前の、わくわく感が凄い。そしてなんかAメロにホラーのテイストを感じるんだよね。これ私だけだと思うんだけどなんでだろう。もし感じた方いたら教えてください。
この曲は全員で歌っていて、ちゃんと全員にソロフレーズがある。歌構成としては王道だよなと思うけど、曲調はかなり不思議……まあすごくchelmicoっぽい。
サビが一番分かりやすくてゆるゆる〜っと「mada mada da〜」って歌うのが力み過ぎてなくていい感じ。
そしてこの曲もパーティー曲である。2/5がパーティーってどんだけパーティー好きなん?こっちは会場が家じゃないから別のパーティーですね……reinaの歌う「みんなが集まるって/あの噂ホント?」というフレーズがめっっっちゃかわいい。しかしみんなが集まるパーティーに私も行きたいんですけどどこでやってるんですか?ライブハウスっぽい感じがするので、ライブでかかるとめちゃくちゃ嬉しい。
ライブといえば、最後の方のサビで、皆が左右にゆっくり傾いて…を繰り返して、客も斜めになっているので面白い。manaちゃんの傾き方が体幹のある人の激しさなので注目してほしい。
2:34しかないので聴いてたら一瞬で終わる。カップラーメン硬めに食べたい私のような人にはこれ一曲流して踊ってたら食べ頃よ。

こちらの曲はMVもある!
超格好くておしゃれに振り切っているのだけれど、ずっとカメラワークがぐるぐるしている上に赤い照明に照らされっぱなしで、三半規管がめちゃ強な人じゃない限りは酔う確率がとても高いので視聴には気をつけてください。


www.youtube.com


NEW WORLD

新体制で一発目に発表された楽曲。作詞・作曲・編曲はShuhei Ueda・Jyunya Okubo(アナ)・ALI-KICK。
伸びやかなシンセサイザーのイントロに掴まれて、そのままぱーっと視界が晴れていく……みたいな曲。
初っ端から何度も繰り返されるサビの「I won't let you down.」(あなたをがっかりさせないよ)というのが、新体制の決意のように響くんだけど、それが力まず自然体に発せられてるのがいい!
他にも「久しぶりだね 初めまして」「止まってた音が鳴って」など、歌詞が新体制で再始動したばかりのリリスクとリンクして、それまでのグループの歩みを知っている人にはより響く内容になっているのもにくい。
だからと言って知らなくても別に問題ない。私達には未来がどうなるかわかんないけど進んでこう!という前向きな気持ちになれる曲。視界の開けた場所で聴きたい。初めて生で聞いたのが、新宿マルイメンの屋上で、ごみごみした新宿の屋上で空が開けて見えたのがとても美しかったのを覚えている。
最初のヴァースでsayoちゃんに「ねえ そっちの調子はどう?」って聞かれるのがとても好き。挨拶で始まる…って思う。
hana(ハナ)ちゃんの低温ボイスで「昨日に興味ないね/可能性や限界なんて」って歌われるのも最高だし、そこから「誰にも決められないし/everything gonna be alright!」につながるのが最高に気持ちいい。一方でやさしいmalikの「わかんないよ」と聞こえてくるのがいいなと思う。

マルチバースから/ほんのわずかな/光だけど君にも届くかな」というフレーズがあるのだけど、最近の映画の流行りに乗っているのか……?と思ってたら、リリスクのメンバーが時代によって変わっているのをそれぞれのバースとして表しているらしくて、優しいなあと思ってしまう。今のメンバーを応援してもらいたいのはもちろんの筈なんだけど、かつて活動していたメンバーたちのことも大切にしているように感じる。それに、過去のメンバーが好きで、そこから動きたくない人を否定しないというか。歌ってるryuya(リュウヤ)の低い声がこれまた優しいんだ。
現に、このe.p.のリリースイベントに、前のメンバーであるhinako(ひなこ)とmei(めい)が遊びに来た一幕がある。なんならhinakoとmeiも同じ時期にリリスクにいたわけではないので、本当に色んなバースのリリスクが巡り合う特異点が発生していた。別に全員がアッセンブルする必要はないけれど、どうしてもめちゃくちゃアガってしまうね。
MVのテーマもマルチバースらしく、こちらは今のメンバーが昔から友だちだったら、という世界線と今の世界線で撮ったらしい。初っ端でそんなことする!?チャレンジングだな。そういうとこ好きだよ。
素晴らしいアンセムだな、と聞けば聴くほど思う。


www.youtube.com

 

秒で終わるYABAI夏

先程も述べたが、lyrical schoolには夏曲が沢山ある。その中にある「秒で終わる夏」と「YABAINATSU」という、どちらも作詞・作曲をShuhei Ueda・Jyunya Okubo(アナ)が手掛けた2曲をマッシュアップして再構築したのがこの曲だ!再構築したのはokaeriko、そしてほぼ書き換えた歌詞を書いたのはALI-KICK。
本家の2曲の美味しい部分はちゃんと継承しつつ、まったく新しい曲になっているの、どうなってんの?
どんどんメンバーが畳み掛けてきてサビでは全員、という構成。
すごくごちゃごちゃした曲でてんこもりだよ…となるし、このe.p.で一番チャラい雰囲気が漂いまくりで進んでいくのに、サビに来ると急にチルとエモに切り替わるので妙に落ち着く。ひと夏の楽しさと寂しさが一気に押し寄せてきて、こんなに毎日暑くて早く終わってくれと思う夏が恋しくなる。
これも今のリリスクを象徴するような曲になっている。既存の良さはそのまま受け継ぎつつ、最高を更新していきますよという気概の現れみたいな曲。最初が「LS 8」(今の8人体制のリリスクのこと)で始まるのがその証明というか。これは「YABAINATSU」のイントロで言っている「LS5! This is YABAI SUMMER」のオマージュでもある。
これ、ライブで一緒に「Oooh Ha Oooh Ha Ha!」の掛け声に合わせてグーパーグーパッパーって振りするのが楽しいんだけど、音源で聴くのがめちゃくちゃ楽しく感じる。ごちゃごちゃし過ぎてて何何?ってなるのが楽しい。8人で歌ってるからこその密度がいい。
「宿題は終わらないくせに/この夏は秒で終わるなんてDamn!」のとこ、あまりに夏休み過ぎる。
夏なら海も山もビーチもフェスもBBQもよくばりセットで行きたくなる、出かけなきゃ損だぜ!みたいな気分になっている。別にどこにも行かないのに……
ちなみに3:33なので秒で終わらないが体感はめちゃくちゃ早い。聞き終わると名残惜しさが漂ってきて、もう一度……とリピートに走らせる曲だと思う。このe.p.のトリを飾るのにふさわしいサマーチューン。

 

以上の5曲が新体制になってからの8人の歌でした! 既存曲のアレンジも素晴らしいので、音源で触れてからライブに来ると「今ってこうなってるんだ!?」という驚きに満ちていて楽しいと思う。
アイドルの現場ってどんなもんよ……と思ってたけど、別にバンドとかとあんまり変わらないなと思う。
もしよかったら、たくさんライブもイベントもやる予定なので、音楽を聴いて良いなと思ったら遊びに来てね。私がいることもあるかもね。
直近で言うと、明後日の30日(日)17時から、新宿マルイメンの屋上で無料ライブやるそうなので、東京近郊の方はよかったらぜひ。
メンバーが浴衣着ているらしい……無料ライブの様子、インスタライブで配信していたり、曲によっては撮影可なので、ファンが撮ってる動画を見てみても楽しいと思う。
しかもこれから全国ツアー、あるよ!お近くでやってますように。


いやとりあえず雰囲気観たい……という人には、配信もある。主催のライブだとほぼ配信やってくれてる気がする。
とりあえず先日このe.p.のリリースパーティーとして、渋谷WWWでのライブが明日29日(土)23:59まで配信アーカイブが観れる(購入は同日17:59までなので注意!)
無料の会員登録が必要だけど、1100円なので割と手軽だよ。

dlc.tokyo

 

CD! 全員のサイン入り。

 

リリスクなんでハマったとか、フラッドちゃんの話とかもしたいなーって思ってるよ!

ブログ更新したい。

*1:リリカルスクール、通称リリスク。去年の夏までは女性5人グループだった

映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』にKOされた

今週のお題「上半期ベスト◯◯」

今年の映画は初っ端から『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』やら『WEIRD:Al Yankovic Story』(日本未公開)やらを観てしまい、そこから面白いと思う映画が例年に比べて多かった。今年は好みに合う作品が多くて当たり年だなと楽しく観ていた私の前に、とんでもない作品が現れた。

 

それが映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』である。

 

予告編を見るとかなり心配な出来だったのだが、批評家の評価は高いらしいという話だけ聞いており、4月1日が休日だったので観に行ったらとんでもないことになった。

 

 

【はとの鑑賞時ステータス】

TRPG:やったことない

ダンジョンズ&ドラゴンズ:プレステとかで遊ぶゲーだと思っていた

ストレンジャーシングス:観てない

映画:好き。たくさん観る

クリス・パイン:会ったことある*1

 

あらすじ

人間やエルフ、様々な種族がおり、街だけでなく危険なダンジョンが広がる世界、フォーゴトン・レルム。盗賊(吟遊詩人)のエドガンは、相棒の戦士ホルガと共に娘を取り戻す旅に出る。パーティーメンバーに魔術師のサイモン、様々なものに変身できる能力を持ったドリックが加わり、途中で聖騎士ゼンクの手も借りながら、旅が進むにつれて、世界を揺るがす陰謀に巻き込まれ…?

 

感想

映画だ!を感じた

ということで感想なのだが、びっくりするほど良かった。素直に面白かったー!と叫びたくなる一作。

原作のことを何も知らなかったが、「ようこそ!」とこの世界にグイグイ引き込んでくれる親切設計かつ、テンポ良く進み続けるのでわーっと2時間没入できて、「ああいい映画観た!」と満足できる作品になっていた。

ストーリーはシンプルな冒険ものだが、よくよく注意していると、細かい伏線がしっかりと張り巡らされており、それが綺麗に回収されていく。でも注意していなくても理解は出来る。作中でやらなければいけないミッションがかなり多いのだが、それをテンポよく観せてくれるので飽きない。テンポと展開が早い映画が大好きなので、波長が合うな!と思った。けれど大事な所にはきっちり尺を取る。ただ、そこで長過ぎもしない塩梅がとても良かった。

よっっぽど海外ファンタジーは苦手、絶対寝る、という人でなければ、最近映画館行っていないけど何か面白い映画ないかな、という人がいたらこれを勧めてしまうと思う(人によっては『AIR』などを勧めると思うけど)

また、ティーンエイジャーの子たちが、親につれてってもらうのではなく、初めて友達と映画を観に行こう、という時に全力でオススメしたい作品でもあった。春休みはすっかり終わってしまってしまい、書き始めた頃にはまだGW中で上映してくれている映画館もあったのだが、最早どこにもやってはいない。配信(購入・レンタル)は既に始まっており、ソフトが7/21に発売予定なので、機会があればまだ観ていない人は観てほしい。

 

キャラクターが皆好き

元々クリス・パインが好きなので、彼が出ているだけで映画を観に行く理由になる。というか当初は作品自体には殆ど期待していなかった。主演だから沢山観れるだろうなー、というくらい。基本的に「観る」と決めてしまった映画はそれ以降の情報を観ないようにするので、「ゲームが原作」「クリス・パインミシェル・ロドリゲスヒュー・グラントが出演している」以外のことは何も知らずに観にいった。

主演であるクリス・パインはこの映画の制作にも関わっているからなのだろうが、彼が演じたエドガンは、まさにハマり役だった。戦うのはそこまで得意ではなく、人を元気づけたり頭の回転を生かしたりしている口の達者なキャラクターだが、ただ明るい一辺倒ではないのが魅力を深めている。自分のことを開示するシーンではじんわり泣きそうになったよ……ちょっとした瞬間に葛藤が垣間見えたりと、当然ながら演技は冴え渡っていた。

そして彼は歌が上手いので吟遊詩人*2としての能力も遺憾無く発揮していた。予想外にめちゃくちゃ歌ってくれるじゃん……ありがと……クリパがちゃんと歌ったの聞くの、『イントゥ・ザ・ウッズ』以来な気がする……と思いましたが『スパイダーバース』があった。エンドロールでクリスマスソングを歌っているのは彼です。最初に出てくるスパイダーマンの声優をしているよ。

 

エドガンの相棒であるホルガを演じたミシェル・ロドリゲスも最高!こういう格好いい!強い!みたいな女性キャラクター、恋愛に興味なさそうに描かれてることが多い気がするけれど、駆け落ちが原因で部族から追放されているという設定にびっくりしてしまった。

しかし相手はエドガンではない、というところがこの作品の新しさな気がする。エドガンとホルガの関係は徹頭徹尾相棒として描かれており、誰よりもお互いを理解しているが、それは全く恋愛感情ではない。

こういう男女の関係性の提示を、こういう大作映画でやってくれることに意味があると思っているのでグッと来てしまった。クールで口数が少ないけれど、目配せで(こいつやべえ)とか(大事に思ってる)とかがビシバシ伝わってくるのも、ちょっと好みの人がいて唇噛んじゃうのも、いちいちにっこりしちゃった。そして流石ミシェル・ロドリゲスなので大立ち回りは完璧。まー多彩な戦い方を示してくれるね……というアクションの部分をしっかり支えていた。

 

かつての仲間であり再び加わってくれるサイモン、良き!皮肉屋で使う魔法がいまいち強くなくて、なんならミスも多く、大丈夫か……?と心配してしまうのだけど、取り返し方もまた上手!笑いのオチにも使われがちだったが、そうしたくなるような絶妙さが彼にはある。真顔でおどけてくるの、コメディの鉄板だけどしっかりしてた。そして後半の追い上げよ!主人公属性が一番強いのは彼かもしれない。

しかしすっかり忘れていたけど『名探偵ピカチュウ』の主演だったね。

 

ドリックも好きにならずにいられない!目まぐるしく見せてくれる変身の多さはもちろん、パチンコなどのギミックなどの使い方もいいし、とにかく見せ場が沢山!映画内ではかなりまともで冷静だった。初っ端から出番格好いいし、頭の回転も早いし、人間嫌いと言いつつも手を貸してくれる優しさもあり……!ソフィア・リリスは『IT』リブートシリーズのベバリーを演じてて、彼女も観てる間は観たことある……と思ってたのだけど、観終わってから同行者に教えてもらって叫んだ。

 

エドガンの娘、キーラも良い……どうしてクロエ・コールマンは取り残されがちなんだ……と『ガンパウダー・ミルクシェイク』ぶりの気持ちで観てた。あの時からすっかり大きくなって!と子役にすぐ親戚みたいなこと思ってしまう。要所要所で効かせる役だった。あるシーンの笑い声が凄くて……

蛇足だが、こないだ『ザ・ホエール』でタイ・シンプキンス出てきた時も『ナイスガイズ』の時より更に大きくなって!と感慨深くなってしまった。

 

待ってましたのフォージ役ヒュー・グラント、こういうおちゃらけおじさんの役が似合い過ぎててすっかり見慣れつつあるのだけれど、毎回ちゃんと若干バリエーションを変えてくるので、新鮮味もちゃんとあるという不思議な感じ。それにしてもペテン師って言われてるの凄いな。悪役がバッチリハマっていて、しかし口から出てくる言葉が嘘だけど本当にそうも思ってるんだろうなという説得力が強烈だった。ああいうキャラクター、それなりに愛着や大事に思う気持ちがゼロではないけれど、自分のやりたいことのためにパッパと優先順位をつけてそのためなら切り捨てていく、の描写がうまい。好きじゃん。

 

そして聖騎士ゼンク・エンダー!この人が完全にノーマークだったのでびっくりした。出てきた瞬間から光ってたし、魅力的なムードを醸し出しまくりで凄まじかった。そして真面目でセクシーなのが一周回って面白いという新境地を知る……どうしてこういうキャラクターが生み出せたんだろうか。最高だった。

 

他にも大変な苦労を被りまくってるソフィーナやジャーナサン、確実に過去の因縁を匂わせてくるドララス、助けられてたエルフなど、メインの悪役からワンシーンしか出てないキャラクターのみんなが大好きになってしまう。こういう両手を上げて喜べる映画を観たのが本当に久しぶりだった。

 

世界に没入出来る

風景がまー良かったね……ミッションが多く、西へ東へ北へ南への大移動を行っているのだが、目的地の世界の広がり具合は勿論のこと、合間合間に挟まる風景が美しくて!草原や渓谷や山などを、馬に乗って駆けていくの、ちょっと『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ思い出したよ。雄大で圧倒的な自然の中に、ひとびとの生活があるがあることが分かる。こういう風景を映画として楽しめた。

また、墓地や地下世界などのダンジョン、栄えて活気のある街も作り込みが良かった。行き交う人々は勿論、不思議な店やちょっと変わった生き物たち、謎に満ちたモチーフの石像、とにかくいろんなものが溢れ返っている。原作がゲームなので、直接は関係なくともちらっと映った何かにテンションが上がった人も多かったのではないだろうか。もっとも、知らなくてもわくわく出来る画作りになっていた。

 

 

気づいたら3回観に行っていた

この数年、映画館に行くのも考えつつ、しかし確実に回数は増えていたけれど、同じ映画のリピート鑑賞をしたのは、『NOPE』以来である。

……と書くといや去年もやってるじゃん、となるのだが、2020年以降『NOPE』と『ダンジョンズ&ドラゴンズ』だけで、3回も観た映画はこれだけだ(『NOPE』は2回)

元々あまり映画館でもリピート鑑賞はしない方なのだが、「今この瞬間に!観ておかないと!」という気持ちで映画館に引き寄せられていった。寒々とした監獄から始まる映画に、毎回ワクワクしては細かい部分まで魅せられ、キャラクターたちの選択に泣いていた。こんなに楽しませてくれた映画、今年は今のところ他にないよ!すっかりKOされている。本当にありがとう。

 

 

映画館に行ったら、スタンディングがあって楽しく写真を撮った。

私の前に小学生くらいの子と保護者の人が写真撮ってて微笑ましかった。いい思い出になってたらいいなと思う。

 

 

*1:スター・トレック イントゥ・ダークネス』来日プレミア時。クリパは私が生まれて初めて会った海外俳優である。自慢です

*2:本国の設定としては吟遊詩人とされているが、日本の公式では盗賊として紹介されている

6月上旬の近況つらつら

先日漫画のK2を読み始めたが、無料期間中に読み終わるのかな…と言うぼやきをしていた。

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が、一度はまればビンジリード(一気読み)ガールこと私、31日まで待たずに読み終わって何なら2週目に入っていた。ちょっと5月は色々あって身動きが取れなかったこともあり、スマホ一つで済むものばかりに触れていた。逃避もあったと思う。いやしかし面白かったなK2。これ続いているのがありがたい。最新の彼らと医療状況を見続けられるので。好きなキャラクターは富永と宮坂。
ただ、フィクションではなんとかコロナ禍でもうまく折り合いをつけつつやっているようではあるが、現実の医療現場はコロナが5類になって大変になっている所の方が多い気がするので、そこは心配でもある。ちゃんと感染対策はしよう。その上で、何か体に異常があるなら医療機関に受診しよう。ギュッ。

 

ちょっとだけ出歩くのが微妙だったのにつれて映画館も足が遠のいてしまっているが、なんとか『CREED3』と、版権の問題ですぐ観られなくなりそうなNTL『ライフ・オブ・パイ』と、周りから激烈プッシュを受けている映画『雄獅少年/ライオン少年』だけは観ておきたい。『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』も観たいんだった。ちょっといかないとすぐ遠ざかってしまう場所だなと思う。最後に観た映画、もしかしたら『東京リベンジャーズ2前編』かもしれない……


映画は観に行かないくせに、何故か今更ドラマ『ストレンジャー・シングス』を観始めている。
シーズン2まで観終わった。1シーズンごとに子どもたちが大きくなるので、ハリー・ポッターの映画の最新作を観るたびに、大きくなっていたダンたちを思い出す。大人になるとそんなに激変することは多くないけれど、子どもの成長って苛烈なくらいだ。あの業界は如何にもこうにも大変だと思うので、せめて健やかで心穏やかであるようにと願いながら観ている。

 

家で出来ることを増やしているというか、家から出なくてもいいようなことにのめり込んでいる。というのは梅雨だからと言うのもあるし、久々にブログ以外の締切がある書きものをしているからでもある。正直ブログを書いている場合でもないのだが、とにかく色んなことがコロナ禍とは関係なく久しぶりで、勘を取り戻すのに必死になっている。
家から出てはいないが、新しいことにチャレンジするのは楽しいし、かつての場所に戻ってきたような気持ちにもなっている。
何の話かと言うと同人の話なのだが、こうも「同人」と言う単語の響きにとらわれるのも久々だ。なぜなら友達はいても同人というか、同志というような人に巡り会う機会はなかなかなかったので。友達がいるだけありがたいことなんだけどね。

 

そう出歩かない生活をしつつも、久々に友達と会って、ひたすらにK2の話をしていた。リアルで話せるのって最高だね……ただ、以前よりも人と会った後の疲れが増しているのは、出不精が増したからなのか、歳を重ねたからなのかが分からない。けれど、そんなのお構いなしなくらい楽しかった。なんだかんだでたまにしか会えていないのだけれど、毎回最高に楽しいし、なんだか思いもよらないことが起こる。いつもありがとね。

友人と会った時に食べたマンゴーパフェ。ロイホにて。

 

ギュッ

昨日の地獄のような辛さをどう乗り越えたらいいのか分からんまま今に至る。具体的に何がどうとか書く気はしないのだが、心因性発熱をやらかしているので結構辛い。

 

仕方ないので5月末まで無料だというK2を読んでいる。医療系の漫画は希死念慮や雑な気持ちをちょっと折り畳めるような気がする。ギュッ。

 

K2 - 真船 一雄 / K2(1) | コミックDAYS

 

コミックDAYSで読めるよ。

今4巻くらいなんだが医療漫画だなと思って読んだらその通り医療漫画なんだけど……なんだこれ?になった。一族の話聞くとすぐ脳内がNARUTOになってしまう。飛び道具がかなりあって面白い。果たして5月末までに読み終えるのだろうか。他にやりたいことすべて犠牲にすればなんとかなるのかもしれないが……

和菓子に目覚める

今週のお題「何して遊ぶ?」

 

今年に入って、初めて自分の住む町の和菓子屋さんに足を踏み入れてみた。私の町は住宅街だらけで大した店はほとんどないのだが、唯一栄華を誇っている洋菓子屋がある。いつも混んでいて、休日は店内がごったがえしているので行くのを躊躇うほどだ。そんな町の駅の反対側に、和菓子屋があるのは知っていた。知っていたのだが、ついぞ入ったことがなかったのである。それは我が家の母が和菓子全般が好きではなかったためだ。彼女は小麦を愛し過ぎている。おやつに和菓子など出たこともなかったし、買う所もほぼ見たことないので、そもそも存在がぼんやりとしていた。そんな母から英才教育を受けている私も小麦を愛しているので、クッキーやらマドレーヌやらの洋菓子の方が日常にあるお菓子であった。

そもそも和菓子の種類もあまり分からないし、どんな味がするのかも想像がついていない。幸いにもあんこは好きだったので、羊羹やら大福などは好きではあったが、やはり自分で勝って食べようという所まで至らないのであった。

そうなのだが、近所の店を知らないのもな、と思って先日何の気なしに入ってみた。男性と女性が1人ずついるこじんまりした小さな店で、なんとなく薄暗い。ガラスケースの中に並んでいる和菓子たちをしげしげと眺めてみた。団子はみたらしが一本だけ、あんこは売り切れていた。

家族のためにいくつか買ってみたが、正解がどうか全然分からなかった。

自分用にはきんつばとみたらし団子を買った。一緒にいた家族がさりげなく一番高いいちご大福を一緒に頼んでいた。

どれも初めて食べるものではないのだが、なんだか妙に美味しかった。

みたらしって好きな味だな、と食べる度に思う。お腹に溜まるなと思ってお腹すいでる時のおやつにしかしないのだが、たまに噛みしめると良い。

きんつばも思ってるより全然甘さが控えめで美味しかった。いくらでも食べられるとは思わないけど、これくらいならぺろりといける。

 

 

というのが2月のことだったのだけれど、この間、こどもの日に柏餅を買ってみた。

というのも、たまたま外に出て店の前を通ったからだったのだが、これまで柏餅を殆ど食べない人生を送ってきた。3人姉妹でこどもの日に何かすることがなかったので、縁遠い食べ物だったのだ。

それをなぜ急に食べたがったかというと、数年前に遡る。美味しいものを沢山知っているインターネットの友人が、こぞって「柏餅は味噌餡が美味しい」と言っていたのをずっと覚えていたのだ。スーパーやコンビニで買うのは味気ないかな…と思いつつ、気づけばゴールデンウィークが終わるのを繰り返していたので、結局味噌餡の柏餅を見かけることさえなかったのだったが、今年はふと和菓子屋のことを思い出したのだった。

3ヶ月ぶりにお店に入ると、ショーウィンドウの下の方に柏餅がずらりと並んでいた。こしあんつぶあん、そして味噌餡があった!

家族用にこしあんつぶあんも買いつつ、味噌餡の柏餅も買った。

「初めて食べるんですよ」と言うと、おじさんが「俺が作ったから美味しいよ!」と太鼓判を押してくれた。こういう誇りを持つ人が好きだなと思う。

ほくほくしながら帰って食べた味噌餡の柏餅は、そりゃあ皆美味しいと言うわなという納得の味だった。見がしょっぱいけれどそこまで主張するわけでもなく、甘さが品良く引き立っている。みたらしが好きなら好きな味だわなと思った。ピンク色になった餅を食みながら、まだまだ知らないことだらけで、それを知っていくのが人生なのだなと悟りを開いたようなことを考えていた。

 

 

 

憧れの人とブログの話

憧れの人がいます。
ある2次創作のサイトを運営されている方なのですが、書くお話は面白いのはもちろん、毎日日記を書かれていて、更新されない日を殆ど観たことがありません。稀におやすみされるのは、旅行をされている時だけという。しかもその後はご旅行で見たものや楽しそうな写真が並びます。
毎日欠かさず更新されるエピソードは、文字数が少なくても面白く、ふふっと笑ってしまうことが多いです。日常の愉快なことやちょっと困ったこと、美味しいごはんの話、テレビや映画、本の感想、DIYなど多岐に渡ります。なんならこの人はいつ働いているのだ…?と震えるほどご覧になっていると思うのですが、仕事をされている話もされているので時間のやりくりがお上手なんだな、と思っています。
何よりインプットとアウトプットのバランスが理想的としか言いようがない。

 

その人のかかれるお話ももちろん面白く、短いものから長いものまで、機知に富んでいて、なおかつお話の主役2人の息遣いや見ているもの、触れているものまで伝わっていて、ある時はとても幸せに、またある時は苦難にぶつかりながらもどうにかしようとする姿に胸打たれてしまう、読めば読むほど彼らのことがとても愛おしくなるような話を書かれる方です。
新作が出る度にあまりの良さに唸って転げ回りたくなります。

 

何が言いたかったかというと、コツコツ続けるのはとても大事で、どうにかこうにか見習って私も書きたい〜〜〜〜〜〜!!!!!!というお話でした。
(ごめんなさい、ちょっぴり文章真似した。全然似なかった。何かあれば記事ごと消えます)

 

(その人と私が共通で好きだったドラマのロケ地、グッゲンハイム美術館の写真。一緒に行ったわけではありません。)

 

 

 

そしてこれは自慢ですが、私の名前こそ出たことはありませんが、分かる人が読めば私のことだと分かるエピソードをある日の日記に書いて頂いたことがあり、恐悦至極だな、とたまに思い出してはニヤニヤしています。